サンフランシスコ・バレエのくるみ割り人形は、縫いぐるみの熊さんが登場したり、アラビアン・ナイトぽくなったり、手品ありで、大人も子供も楽しめる楽しいバレエ。
数年前に比べると、30分くらい短くなってるようですが、子供にはちょうど良い長さかも。
第一幕の見所は、ビクトリア調時代(フロイドが活躍した頃)の、豊かな家の、家族とゲストで祝う、クリスマス風景。
雪がしんしんとふるなかで、雪の女王様と王様、そして雪の精が踊る場面も、チャイコフスキーの美しい音楽とともに、心に残る場面です。
第二幕では、ロシアの木こりのダンスが、いつもやんやの喝采を受けます。
見所は終わり近くのグラン・パ・ド・トゥでしょう。
去年、ソフィアン・シルビ(Sofiane Sylve)がコンペイ糖の国の妖精となって出てくる「くるみ割り人形」は、見たくないと書きましたが、ご本人、今年は去年に比べて、ずいぶん、明るくなった感じ。サンフランシスコ・バレエに入団して一年たったんで、落ち着いてきたんでしょうか、以前、彼女を取り巻いていたグレーのイメージは消えてて、チュチュも似合ってたし、グラン・パ・ド・トゥをていねいに踊ってました。
彼女のパートナー(くるみ割り人形)は、今シーズン入団した、新顔のアルテム・ヤチメニコフ(Artem Yachmennikov)。初めて見る人なんですが、手のひらや指の動き(腕じゃなくて)に表情があること、相手をちゃんと見つめてニコニコしたりなどの感情の表現が上手で、プロという感じ。体の動かし方が優雅で、サンフランシスコ・バレエにとっては、たいへんなプラス、思わぬ才能を確保したと思います。
男のダンサーで、表情のある人って以外と少ないんですね。感情を見せるのは男らしくない思ってるんじゃないかと思います。サンフランシスコ・バレエでは、ヨアン・ボアダ(Joan Boada)が、感情表現を目一杯やります。悲しいときは悲しい表情、嬉しいときは満面の笑み、そしらぬ顔をするときはポイと横を向いたりと、上手だと思いますが、新顔アルテムは、どんな悲しみの表現を見せるのか楽しみです。ヨアンより背が高く、多分若いので、これから先が楽しみです。
サンフランシスコ・バレエのくるみ割り人形のビデオをリンクしておきます。
写真は、マリア・カチェコーバ(Maria Kochetokova)とディビッド・カタパリアンのグラン・パ・ド・トゥ。彼女も去年より、優雅になったようです。ディビッドも上手。
追記(2011年4月):マリア・カチェコーバとディビッド・カタパリアンのグラン・パ・ド・トゥのビデオが見つかったので、リンクしておきます。二つあります。二つで、全部見られます。
ヨアン、アルテム、ディビッドが、男性のトップ3でしょう。
女性は、ヤン・ヤン・タン(Yuan Yuan Tan)、マリア・カチェコーバ、ソフィアン・シルビがトップ・スリーだと思います。
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