2013年3月26日火曜日

神田川、桜が満開

「明日の25日だ!」と気象庁が言ったので、お上りさん、数十年ぶりにというか、生まれてはじめて自分の意志でお花見に。行った記憶がない神田川へ午前11時頃、向かいました。

これは超すごい!皆がお花見、お花見と言うわけはこれ!と納得。 



川の両側に散歩道、途中に大滝橋とか駒塚橋があるんで、あっちわたり、こっちわたりしてぐるりとまわるのにちょうどいい。



昔ながらのお花見ピクニックをやってる人たちが結構いました。でも上野みたいに(と言っても昔の記憶ですけど)お酒はあんまり入ってないよう。散歩道を歩いてる方が多いようでした。



下の写真はちょうど椿山荘の裏門をすぎたあたり。

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椿山荘を過ぎると芭蕉庵がありますが、その横の坂の階段を上がると"永青文庫"。数年前、サンフランシスコのアジア美術館で細川家の鎧とか刀が展示された展覧会 がありました。永青文庫から来たもので、面白かったんでよく覚えてます。「永青文庫」ってこんなところにあったのか。寄ってみたんですけど、今は工事で休館でした。



神田川の桜は染井吉野。花がボール状に咲きます。



けっこう流れの速い神田川に大きな鯉がいっぱい。亀も甲羅干し。誰かが捨てたペットが繁殖したのかも。川の両岸のところどころに水を分散させる穴みたいのがあります。近年、神田川が氾濫しない理由は、余分な水を逃がして地下に貯めておくこのシステムのお陰なんですね。



超すごい満開の桜。これが数日しか見られないなんて無情。超満ち足り感の影でちょっと感じるはかなさと自然の鉄則... 日本人の心の形成に大きく影響してると思います。

2013年3月17日日曜日

2013年、サンフランシスコ・バレエのプログラム3

2013年サンフランシスコ・バレエのプログラム3で、最初の二つ、「不思議な場所への案内書(Guide to Strange Places)」と「かっこいい男(Beaux)」は去年発表された作品。

マーク・モリス(Mark Morris)の「かっこいい男」はよくなってました。ちょこちょこした動きを取り除いてシンプルにしたのかもしれません。のびのびとした印象を受けます。踊り手は全部男でオレンジやピンクが基調のボディスーツを着てるんですけど、各ダンサーがカラフルなコスチュームに馴染んできた感じ。踊りもリラックスしてて可愛く、今回は、プログラム中で一番良かったです。



不思議な場所への案内書」はニューヨークの夜のハイウェイとか、「ウェストサイド・ストーリー」を思い起こさせる、アスレティックなピース。アッシュレー・ページ(Ashly Page)という人の作品。最近、「シンデレラ」というストーリー・バレエを創作したそうなんで、機会があったら見たいです。



最後はユーリ(Yuri Possokhov)の作品。今年がストラビンスキーの「春の祭典」初演100周年記念にあたり、それを記念してユーリが「春の祭典」の振付けに挑戦。

人身御供を捧げる部族の祭を描いたのが「春の祭典」だっていうのを、今回始めて知りました。

白地に若草色の模様がついてるコスチュームが、動きにあわせてゆらゆらゆれる感じが命の芽生える春らしく、さわやかで気に入りました。

ただ、部族のなかから人身御供を選ぶ年寄りを悪役としてしまうユーリの解釈が好きじゃありません。悪意からではなく、部族のために年寄りは人身御供するんですから、「にもかかわらず」今と違ってもっと生き生きとした古代人がいたというような、違った描き方があったんじゃないかなぁ。

2013年3月9日土曜日

真珠の耳飾りの少女は今、サンフランシスコ

サンフランシスコのデ・ヤング美術館で、今、「レンブラントの世紀(Rembrant's Century)」という展覧会をやってます。

レンブラントのエッチングを、他の作者のと並行して見せてるんですが、あまりゆっくり見すぎたせいで、閉館時間になり、最後の方の油絵はさーっとしか見られなくて残念でした。

その最後の方に、「真珠の耳飾りの少女」がいるじゃないですか。12月頃まで東京にいたと思いますが、その後、サンフランシスコに来てたんですね。



2007年のリーマン・ショックで、ギリシャを始め、欧州連合が財政危機に陥り、財政には手堅いオランダも深刻なとばっちりをうけてるようですが、フェルメールやレンブラント等の名画を持ってる限り、なんとかなるんでしょうね。

「真珠の耳飾りの少女」がどうして描かれたかという映画ができたのは10年くらい前ですが、以来、彼女の人気が急上昇、おかげで彼女に外国巡りをしてもらって、オランダはしっかり外貨を稼いでいるようです。

なお上の写真は、ポスターを私が写真に撮ったものです。

2013年3月7日木曜日

始皇帝墓の戦士がアジア美術館に

秦の始皇帝のお墓からの出土品が、サンフランシスコのアジア美術館で現在、展示中。

最初の部屋に展示してあるのは実物大の青銅製の鶴と白鳥とあひる。古代中国の職人が日展に応募したら、ほとんど全員上位入選まちがいなしの質感と温かみと気品のある、時空間を超えて心に届く作品。今、目の前に飛んで来て羽を休め、食を探しだした風情で、立ち去りがたくなります。



お墓の前面のから出土したそうで、さまざまな姿の鶴6羽を中心に、左右に白鳥、そしてあひるが確か全部で24羽、一直線に並んでいたそうです。

木製のミニチュアあひるを、昔々にサンフランシスコのチャイナタウンで購入。全部で12羽だったと思いますが、一羽、一羽、種類も趣きも違い、多分手で彩色してあってすごいと思ったもんです。ただ、あひるを置物にしてめでるという気持ちはよくわからなかったんですけど(きじの尾羽とかオシドリの剥製ってのはおじいちゃんちにあって理解出来たんですけど)、今回、秦の始皇帝のお墓から出土した鳥達を見てて水鳥を鑑賞する伝統があるのがわかり、納得がいきました。BC200年以来の伝統なんですね。

テラコッタ製に兵士の像は本当に素晴らしいできでした。

ふと何かを思い出してるような風情の兵士。詩の一節かもしれません。振り返る体の線が美しい作品。


緊張感のあふれる精気ある大柄な兵士。


今のサラブレッドとはちょっと違う感じの馬。ティベット原産の馬なのかも。


秦の始皇帝のお墓は現在でも進行形で発掘中。始皇帝自身のお墓はまだ発掘されてないそうです。盗難を避けるため、いろいろな仕掛けがしてあって、不注意にさわったりすると、命の危険もあるそうです。

いずれはぜひ、行ってみたい西京と秦の始皇帝の墓。5月27日まで。お薦めです。