2014年7月5日土曜日

台北故宮博物院特別展に白菜を見にいく

午後一時ちょっとすぎに上野の国立博物館についたんですけど、「翠玉白菜」だけ別部屋にあって2時間待ちと言われました。どうしようかなと思ってトイレに行って出てきたところ、「一時間40分待ち」と言われたので、列に並ぶ事にしました。

これから見ようとしてる人、本持参がお薦めです。館内敷地で涼しい風を心地よく受けながら七割がたは日陰で読書を楽しむ事ができます。

暗闇のなかで光をピカーッと反射し、濡れているようにキラキラ輝く「翠玉白菜」は、一瞬、石であることを忘れるくらいきれい。でもこの白菜、日本で見る白菜とちょっと違うので、見る人はそのことを知っておいたほうが、心休まるかも。



中国では日本とはちょっと違う、スリムな白菜もスタンダード種として店頭に並んでるようです。初めて見たのはサンフランシスコのチャイナタウンで、日本で見る丸型の白菜とは区別されました。白菜の白いところが日本のより薄くて丈は長く、ひしゃげた筒という感じで、その点では「翠玉白菜」は実物をかなり正確に描写してます。日本の丸型より見た目がちょっと貧相でしたが試してみたところ、丸型より甘みと野菜っぽさがありました。また縦長なので冷蔵庫にしまいやすく、米国居住中には中国型白菜を食べる方が多かったです。

展示されてた磁器、特に「白磁」の高度な技術には感心しました。

また刺繍には感心を通り越して仰天。海の波がうねっているさまを描いた刺繍の掛け軸がありましたが、絹の光り方という特性を知ればこそ作れる作品。中国風の着物を着た数十人の女性が数ヶ月という時間をかけて、一針一針刺してゆく様子が目に浮かびました。

最後の方に「永楽大典」。テストのために制作年号を覚えたのはこの本かと高校の歴史の時間を(とんだところで)思い出し、墨でくっきりと軽快に書かれた表紙のタイトルを見つめながら、ちょっと感動的な、数十年ぶりの過去との「再会」でした。

午後5時半頃館内から出てきたら、白菜待ちの行列がえらい短くなってたので、このあたりの時間帯に行くのが賢いかも。