2010年4月18日日曜日

新作バレエ: アンダースキン

「アンダースキン(Underskin 皮膚の下)」を見ました。

レナート・ザネラ(Reneto Zanella)が、アーノルド・シェーンベルグ(Arnold Schoenberg)の Verklarte Nacht(意味は不明です)という曲に振付けした、サンフランシスコ・バレエのための、新作バレエです。

幕開けのシーン: 深い森の中を連想させる舞台の奥に、スポットライトを浴びた裸の背中が三つ。メインキャラクターのソフィアン・シルビ(Sofiane Sylve)が登場すると、暗闇に消えてしまいます。「これから何が起こるのか」と思わさせる出だしです。

ソフィアンのために作られたようなメインキャラクター:

不思議な人です。くるみ割り人形の「雪の女王」や「コンペイ糖の精」の役が似合わず、私の見る日には、出てこないで欲しいと思うほど。微笑んではいるんですが、表情がありません。チュチュが似合うとは思えないときさえあります。色でいうとグレー。

その彼女が、現代バレエになると、まるで別人。体全体が表現しだすので、不思議です。手のひらを上に向けただけで、横を向いただけで、皆既日食のコロナのように、強烈なメッセージが発信されます。弓をしぼったようにぎりぎりとしなる胴体、振り子のように揺れる手や足。強靭で伸縮自在の、大人の筋力、そのものです。

写真はアンダースキンを練習中の、ソフィアン。


コスチューム: ソフィアンは、アイヌの渦巻き文様のような黒いパターンが、全体に浮き上がるボディタイツ。真っ黒に染めた髪を顔にぴったりとはりつけ、太く長い毛をひもでたばねたつけ毛を後ろにたらし、まるで「くの一(女忍者)」風。

彼女は、うっそうとした森というミステリーを表現してるんだと思います。

アンダースキンをYoutubeに流したら、ソフィアンは、一躍、有名になるんじゃないかな。

渦巻き模様が、ダンサーのコスチュームの、テーマになってます。

写真は、準メインの、カキータ・ワルドー。今シーズンで引退するので、これが最後のパフォーマンス。彼女の衣装だけ、皆と違って、渦巻き模様がありません。舞台は抽象化した森です。


このリンクをたどると、2分20秒経過してから、アンダースキンのパフォーマンスが見られます。

このリンクをたどると、アンダースキンの創作過程について、ザネラが語っているビデオが見られます。

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