2012年2月28日火曜日

Death Valley 駆け巡り記 1: ドライな草原のただ中を走るハイウェイ14

2月中旬にデス・バレー(Death Valley National Park)に行きました。

ハイウェイ80からハイウェイ580経由でハイウェイ5、次にハイウェイ58からベーカーズフィールド(Bakersfield)市に入るという、初日は走行時間、約8時間半ちょっとのルート。ハイウェイ58は初めて。ハイウェイ5から分岐した後に(多分)プラムの果樹園が続いているところがあり、初春なら、花と香りの春爛漫と思いますが、それ以外は魅力度マイナス5のルート。

ベーカーズフィールドで満タンにして、東方面のハイウェイ58へ。シエラネバダ山脈南端(Sierra Nevada)に入るので、景色もよくなり、ドライブのしがいあり。でも山越え陸送の基幹道路のようで、リグ(超大型トラック)の数と坂がぐーんと増えるので、車間距離を十分にとって慎重にドライブ。

ハイウェイ14に近づくあたりは、風力発電用タービンが数百本、所狭しと林立。果てしなく、くるくる、くるくる勝手に回る「風車」群は、なんだか、スフィンクスのかける謎のよう。

ハイウェイ14に入ると、景色は一変。だだっぴろ〜い草原に、えんぴつで線を引いたような道路は、ただ、ただまっすぐ。車を運転してるんですが、開拓列車に乗ってる気分。両側にはジョシュワツリー(Joshua tree)が点、点と見え始める低草木の乾燥地帯。抹茶やうぐいす色のような、日本色で形容した方が色彩的に近い草群は、空気がまるでよごれてないので、淡い色ながらみずみずしく(乾燥地帯なので矛盾なんですが)、心が洗われるよう。高層ビル群を離れてよかった!

いくら走っても、遠くに見える不気味な形の山や、かすみがかかってその先がさだかでない巨大な谷がちっとも近くにならず、美しい乾燥地帯のど真ん中を不安印で運転。掘っ建て小屋等の、人間活動の痕跡もないのも不安。引き返さねばならなくなったとき、ガソリンスタンドがないということですからね。やっと道標が見え、正しい方向へ走ってるのを確認できたときは「ヤッホー!」。90度に曲がってハイウェイ178に入ったときは夕方でした。

しばらくすると少しづつ、道路沿いに人家が見えてきましたが、空き家なんだか、住居なのか、判断付きかねる感じ。地図上、リッジクレスト市(Ridgecrest)に近いはずなんだけど、こんな薄汚いところに泊まらなくちゃならないの? メキシコよりかひどそう...

突如、信号やネオンサインや三車線道路が出現、リッジクレスト市じゃないですか! 5階建てのマリオットから、コンフォート・インからベスト・ウエゥタンからモーテル6まで、ほとんどのモーテルのブランドが、ケンタッキー・フライドチキンやマグドナルドやウェンディーズなどのファースト・フード・ブランドに混じってある、アメリカ内陸の標準的近代シティ。米軍基地があるので、モーテルの一つや二つはあるとは思ってましたが、予想外に大きな市。

トリプルAメンバーには割引があるベスト・ウェスタンに泊まることにして、もう運転するのはうんざりでしたが、おなかが空いてるので、しかたなく車でディナーへ。こんなところのファミレスには何があるのという興味もあって入ったレストランの、お客さんの前においてある、やたらに色の鮮やかなディッシュを見てゾーとしましたが、抵抗せず、一番あたりさわりのないスープとサラダを注文。こういうのでさえ、不味いときってあるんですね。

ケンタッキーフライドチキンが正解だったなーと今は思うけど、当日は疲れてて思いもつきませんでした。

時間との競争で走ったので、ハイウェイ14沿いの写真が一枚もとれなくて残念。
写真:ベーカーズフィールドのダウンタウンが、ベイエリアと違うのは、喫茶店のたぐいが無い事。やっと見つけたのはダイナー。格子のフロアがディビット・リンチの「ツィン・ピークス」を思い起させる、アンティークなダイナー。

2012年2月20日月曜日

2012年、サンフランシスコ・バレエのプログラム3

サンフランシスコ・バレエの2012年プログラム3はお薦め。

プログラム最後の「動物のカーニバル」を見に行ったようなものですが、ショッキングだったのは二つ目のユーリ・ポゾホフ(Yuri Possokhov)の新作、「フランセスカ・ダ・リミニ(Francesca Da Rimini)、リミニのフランセスカ)」。

ユーリはストリーを語るのが好き。フランセスカとパオロの恋は、ダンテの話の中で有名なんだそうです。「すべての道は『地獄』に通じるなんてあんまり!」というのが私の直後感、私の見る世の中はこんなふうには見えない、こんなハズはないと、とやりきれない気がしました。

タイトル・ロールをやったマリア・コチェトコワ(Maria Kochetokova)、止まらないエンジンのように、ますます上手になってます。去年のコッペリアで到達したレベルをぐーんと超えて、「夫より愛する人を持つ妻」を美しく表現できるようになってるんですよ。

体の横とか、背中の真ん中とかの筋肉が伸縮するのが感じられるようで、また、舞台に繰り広げられる踊りが流動性と透明性を得てきていて、もう一歩高い段階に進んだんだな、と思いました。自分の踊りを踊ってるんですね。「愛」というのが見せる自然で無謀儀な流動性、よどみのない動きなので、途中で、なんかにぶつかった拍子に、体が粉々になってしまうんじゃないかと、心配になったりしました。
写真:マリアとボアダ。出典はここから。レビューも読めます。

ロダンの作品に「接吻」というのがありますが、これはフランセスカとパオロの話に基づいたものだそうです。

やはり、やはり、愛にまつわる身体表現は、伝統的にそれを許す文化圏に育った人たちの方が、中国とか日本とか、そういうのを許さない伝統で育った人よりか、消化・昇華できるというか...

相手役、パオロをつとめたのがヨアン・ボアダ(Joan Boada)。以前から、感情表現がばっちりできて優雅に動ける数少ない男性ダンサーで好きでしたが、ヘルゲイ(SFバレエのディレクター)の元ではあまり日の目をみることがありませんでした。今回のユーリによる起用、ウェルカムです。彼の優雅さを十分引き出さない振付けでしたが、ジャンプは力強かったです。この役をできる人は、今のところ、SFには、彼をおいて他にいないでしょう。

フランセスカの夫役は、これもプリンシパルの一人の、タラス・ドミトス(Taras Domitro)。尊大に振る舞い、怒りで激情する役、よくやりました。こういう役をやるの合ってるみたい。これは私の知ってる限りでは、彼にとって、初めての大役。

フランセスカとパオロの衣装は、2人の愛の純粋性を象徴しているようで、言わば、彼らの愛の隣に口を開けてる地獄とよい対照。カップルを際だだせ、踊りをいっそうはかなく、この世のものではないような高貴な印象を強めます。

三人の男性ダンサーが、ロダンの地獄門の彫刻のトップにある、かの有名な地獄のゲートキーパー役。彼らが地獄へ罪ある人を引きずる執行人。演じたのはジェレミー・ラッカー(Jeremy Rucker)、クゥイン・ワートン(Quinn Wharton)とルーク・ウィリス(Luke Willis)。
地獄門のトップ:リージョン・オブ・ホナーにロダンの彫刻が収集されてるので、そこで撮ってきた写真です。

コスチュームの色と刷り込んである影の模様でしかとは判別できませんけど、この3人のうちの一人、多分、ルーク・ウィリスじゃないかと思いますが、歴々のサンフランシスコ・バレエの男性中、今までで一番、美しい体の持ち主(去年の感想ですけど)。初めて舞台上で見たとき、その神々しさにハっとしました。スーパーマンかはたまた若ーいギリシャ神かと畏敬の念をおこさせます。あまりの神々しさに顔の方の印象が薄く、今だに誰の体だったんだか、はっきりとわからないんですけど。

ヘルゲイの振付けは面白くないんで好きじゃないんですが、「トリオ」は良い方。サラ・バン・パターン(Sara Van Pattern)が踊ってましたが、彼女も上手になってます。

「動物のカーニバル」は楽しい作品。サンフランシスコ・バレエのために振付けられたものです。これだけでも、見に行く価値あり。

2012年4月9日追記: ビューティフル・ボディの謎の男性ダンサーは、なんて発音するのかよくわかんないんですけど、ガエターノ・アミコ(Gaetano Amico III)じゃないかと思い始めました。髪が黒いのが大きな理由の一つ。じゃなければ、どうしてスーパーマンなんて連想をしたかと思うんですけど。是非もう一度あの美しいボディを見たいので、気になってます。

2012年2月17日金曜日

ズラウさん、ギリシャ、欧米、世界経済の見通しをシャープに語る

アメリカには、ジョージ・ソロとか、故テンプルトン氏のような伝説的な投資家がいますが、スイスでは、フェリックス・ズラウ(Felix Zulau)さんがそれにあたります。

2月13日に出版されたズラウさんの予想によると、現在の市場反騰は3月末まで続くけど、第二半期には、世界が景気後退圧力に負けてしまうとのこと。他にもいろいろ面白いことを言ってるので、要約しておきます。

なおオリジナルの記事はこちら

ギリシャについて:

皆、ギリシャがもうだめなことはわかってるけども、欧米の「政治家」が現実を隠したいんだよ。ユーロゾーンに留まる限り、ギリシャには夢もチボーも無い。いずれはユーロ脱退を決断し、自国通貨を復帰させるだろうが、その価値、少なくともユーロの半分。一年後あたりに、スペインやイタリアやポルトガルの通貨の半分の価値になって初めて経済が回復し、4年後には資本市場に復帰する可能性もある。7〜10年後にはある程度の健全さを回復し、ユーロ圏に再加入可能。ギリシャの次はポルトガルだね。

ヨーロッパについて:

ドイツは、皆に増税や支出削減を含めた耐乏政策を押し付けようとしてるが、景気の更なる悪化を招くだけ... 

2012年の世界経済の見通しについて:

5千億ポンドを長期に渡って銀行へ貸すというヨーロッパ中央銀行の動きはシステミック・リスクが起こる可能性を遅らせるが、それだけのこと。今月末にヨーロッパ中央銀行(ECB)は一兆ポンド出す準備があるようだが、ECBのバランスシートが爆発的に膨らむ。こういうやり方で経済需要を引き上げたいと考えてるようだが、資金の循環機構が崩壊してるので、需要は高まらない。ECBは、システミック・リスク発生の可能性を縮小しようとしてるだけ、そうすれば株式などの危険資産の価値が回復するからだ。去年の10月から市場反騰がおこってるのはこのため。

今の反騰は3月の末か、その少し後まで続くだろが、第二半期から問題が表面化し、2013年秋にピークを迎えるだろう。西欧市場は2015年頃まで低迷を続け、(バブル崩壊後の)日本とよく似た事が起こるよ。
写真:ピデモントのダウンタウンにある教会の花。

アメリカ経済について:

QE3は不可能。やる理由がない。現在、アメリカの生産指数はよい数字だが、在庫が上昇しつつある。最終需要が増加しなければ生産は縮小せざるを得ないので、在庫の状況を、今後、注意深く観察する必要がある。QE3の名で紙幣印刷(printing paper)をすると、ガソリン価格の上昇を招き、株式などを所有しない、普通の人の生活を圧迫する。経済指数を良く見せるため、米連邦銀行は紙幣印刷をするだろうがが、この政策は、トップ20パーセントの人を潤すのみ、階級の亀裂を大きくするだけ。

一次産品について:

中国の台頭が過去10年間の一次産品価格上昇の原因。今まで世界のバーゲン工場だったが、先進国の個人収入の低迷・減少により、これまでの輸出先導型から、内需先導型経済に構造改革してゆかねばならない。このため、中国の経済成長率は9〜10パーセントから6〜7パーセントへ減少するだろう。一次産品の需要は倒壊しないが減少、一次産品株価は他の株価に比べて伸び悩みするだろう。例外は原油と金。原油は地政学的見地から、金は、貨幣価値が下がれば下がるほど、価値が上昇するからだ。

米国の財政赤字:

もし米国が、国内総生産(GDP)の10パーセントにあたる赤字を一晩でゼロにしたとすると、最終需要も10パーセント、一晩で消えてしまう。私が計算したところ、もし米国が過去10年間、財政赤字がなかったとしたら、米国のGDPは現在より、25パーセント低くなっている。つまり現経済は、財政赤字によって成り立っている。いずれは市場が最終的な調停者となり、米国で、今、ヨーロッパで起こってるのと同様な問題が起こるだろう。債権利回りが急激上昇し、経済システムを破壊するということだ。

それを避けるには、中央銀行が資金供給の役割を担わざるを得ない。実際、これはもう始まっている。例えば米国では連邦銀行が長期国債を買っているし、イギリスではイングランド銀行が国際の最大の所有者だ。しかし中央銀行が政府支出の30パーセントを超える資金供給をすると、その後インフレが4〜5年続くのが、歴史的に観察されている。

財政赤字はデフレ傾向をつくり、経済成長を抑え、庶民が貧しくなる。放っておくと恐慌になりかねず、システムが破壊するだろう。

デフレに対処するため、政府と中央銀行は、金融リフレと財政リフレを行う。デフレかインフレの、いずれの力が大きくなると、それに応じて、危険資産が下降したり上昇したりする。最終的には、システミック崩壊か、ハイパーインフレーションを経由したシステミック崩壊を招くだろう。

新興経済国:

赤字が少なく、人口構成もよいので、構造的に健全。欧米の景気の横波をくらうが、長期的投資には一番良い場所だ。オーストラリア? 神の恵みを受けている。中国の景気後退は第二半期に起こると思う。するとオーストラリアも影響を受け、景気が後退するだろう。

注意: 急いで要約したので間違いがあるかも。気になる方はオリジナルを見てください。

2012年2月13日月曜日

ビッグ・データ時代ってなに?

今、ビッグ・データ時代(Age of Big Data)だそうです。

どういうことかというと、今、どこでも情報がいっぱい。

例えば、ゲーム会社グリー。

新潟県に住む46才の女性が、携帯で、何々ゲームを、午後15分やったとか、東京の22才の男子学生が、短かメッセージで、何々ゲームにはまったメッセージ、その友達中、3人が同じゲームを2〜3日中に購入なんてデータが、グリーのデータベースに蓄積されます。そんな毎日のデータはコンピュータのストアレッジ(データ倉庫)に蓄積されるんです。こうして溜まったデータを、年代別、地方別、時間帯別等で分析し、どんなゲームがいつ、どこで、誰に楽しまれ、いくらお金を払ったかなんて事が分かります。ゲームをプレイする日の天気との相関関係はあるかどうか、あればどのような関係等も、このように蓄積したデータの分析でわかります。これをデータ・マイニング(Data mining)と言います。厖大なデータがあって初めて可能なこと、今のコンピュータのデータ収集・保存能力が可能にしてます。

サンフランシスコ警察のサイトに行くと、どんな犯罪が起こったかというデータを、インターネットで見られるようにしてます。知りたい場所の住所を入力すると、過去3ヶ月間で、近所のどこで、どんな犯罪が起こったか、例えば車の窃盗とか、強盗とか、ドラッグ関係とかが、道路地図と一緒に表示されるので、便利。

ニューヨーク警察は、こんなデータを蓄積、それをデータ・マイニングして、給料日や野球のある日とか、天候などにより、犯罪の起こる「ホット・スポット」を予測、警察官を前もって配置し、犯罪の予防、スピーディーな逮捕にあててるそうな。

大量データ・マイニング法を、ビジネス用に、最初に大きく活用したのがグーグル。検索すると、関連した「宣伝」出てくるのは、皆さんもお気づきと思います。「サンフランシスコ」なんて検索すると、「サンフランシスコへ格安航空券」とか、「サンフランシスコで挙式」なんてアドが、検索結果の横の方に表示されます。

毎年、発信されるデータの量は5割成長。っていうことは、これからますます急速に、厖大に、増え続けるという事。こんな大量データをインターネットでアクセスできるように蓄積・保存し、ビジネスだけでなく、公害や、健康や政治等々の意思決定に使おうという傾向が「ビッグ・データ」。

「工業用インターネット」というデータ・マイニング分野では、自動車を始め、機械や貨物が、世界中のあちこちで情報を発信。こういう野放しのデータを蓄積、データ・マイニングしてみてはということらしいです。

フェースブックやツイッターを通して、さまざまな話題が発信される今日、何がどのくらいの期間(もしくは時間帯)、話され、どのように広がってるかもデータ・マイニングの対象。
写真:グッド・ルッキングなクリスピー・クリーム・ドーナッツ。データ・マイニングにどんな関係があるかって? 大あり! 温度がxxだと、どれが売れるとか、データ・マイニングが有効な分野なのはまちがいなし。食品はすべてそうかも。個人の選挙活動にだってつかえるじゃないですか。

これからますます厖大になるデータ、データ・マイニングして、分析してゆくため、これからアメリカでは14万人のデータ分析スペシャリスト、そしてデータに強いマネージャーを150万人、再トレーニング等を含めて養成・育成する必要があると計算されてるそうです。

日本は就職難という話を聞きましたが、日本だって事情は同じ。これから伸びる分野のようなので、まだ何をしようか決めてないあなた、ちょっと考えてみる価値あるかも。

アメリカの例の元ソースはこちらです。

ブルース・スプリングスティーンの、本音の入った新曲の、かっこいいビデオをタイトルにエンクロージャーしてあるので、聞きたい人はタイトルをクリックしてください。

2012年2月6日月曜日

インターネットを通じた無料講座は本当に始まってる! ー その1

インターネットを使った無料大学講座、本当に始まるの?」ってのを、前に書いたんですが、MIT以外にも、やってるところがあり! 二つあるんですが、まず最初にユーダシティー(Udacity)を紹介。

ユーダシティーって言う名前がクール。多分二つの意味をかけもたせてるんだと思います。University と、大胆ていう意味の、Audacity。

セバスチアン・スラン(Sebastian Thrun)という人が中心でやってるんですが、実はこの人、スタンフォード大学の教授であると共に、グーグル(Google)で無人自動車の研究をしてる、グーグル・フェロウ(Google Fellow)。

去年の秋、自分の教えてる大学のクラスと平行して、そのオンライン版を、「人工頭脳(Artificial Intelligence)」という題で、インターネットで無料提供したところ、世界中から反応があり、登録受講者が16万人あったそうな。もちろん、宿題もテストも付くオンライン講座。

リトアニアからは、スタンフォードの実際のクラスを上回る人が登録、またアフガニスタンの戦火の合間に受講した人もいたそうです。

すべての質問に完璧に答えた人は全部で268人だそうですが、スタンフォードの実際のクラスからはゼロ。

すっかり気をよくしたスラン先生、無料講座は続けますが、スタンフォード大学コンピュータ・サイエンス学部教授の身分は捨ててしまったそうな。でも、スタンフォードのリサーチ教授(無給)としての身分は残したそうです。

こんどのコースは、2月20日から。ここはユーダシティのホームページで、「Learn more」をクリックすると、クラスの紹介が見られます。おや、新しいクラスが追加されてます。グーグルでやってる、無人自動車(アーティフィシャル・インテリジェンス)のクラスのよう。

上記の元となる、ユーダシティのもっと詳しい記事はここで読めます

2012年2月4日土曜日

悲劇、ヨーロッパは「国捨て」の時代

「ヨーロッパ金融危機」を知らない人はあまりいないと思うけど、失業率という数字にして見ると、たじたじ!

ウォルフ・リッチャーさん(Wolf Rishter)という、事業家でもあり作家でもある人が書いた、「ユーロ圏債権危機からの集団脱出」(Exodus from the Eurozone Debt Crisis)を読んで驚きました。

スペインの失業率は23パーセント、そのうち、16才から24才の若者の失業率はなんと51パーセント。不動産バブルがはじけたのが2008年、当時、18パーセントだったんですから、飛躍的に増大。

若者の失業率は、ギリシャでは47パーセント、ポルトガルでは31パーセント、イタリアでは30パーセント。今の若者は「皮肉なことに、過去現在を通じて、最もよく教育されてる世代でありながら、最も悲観的な世代」。

せっかく大学を卒業しても、ヨーロッパに仕事がないため、若者を中心に「民族大移動」が起きてるもよう。スペインの若者は、景気が上向きのアルゼンチンへ脱出。2001年のアルゼンチン危機の時、アルゼンチンからスペインと「民族移動」が起きたようですが、今は逆方向で、2011年にスペイン国籍を捨てた人は5万人。

ポルトガル人の場合は、昔の植民地だったアンゴラへ。ポルトガル語が通じるのに加えて、石油やダイヤモンドなどの天然資源があるのがプラス材料。また、ブラジルへ行く人たちも。このような状況に対応して、ブラジルは最近、移民法を変更、エンジニアや大学教育を受けた人を受け入れやすくしたようです。

アイルランド人はオーストラリアやニュージーランドへ、ギリシャ人はドイツ(!)という、動きもあるそうです。

リッチャーさんによると、一つの国から教育を受けた人たちが集団で出て行ってしまうと、国の復興が難しくなるとのこと。そうでしょうね。日本では「失われた世代」でしたが、今のヨーロッパは「国捨ての世代」...

さて、こんなことから何か学ぶ事がある? あるかも!

最近、東大地震研が、4年以内に、東京でマグニチュード7の地震が起こる確率は7割という発表をしました。要するに、起こるということ。東京市民に、起こるから準備せよっと言ってるのと同じ。

被害の規模にもよりますが、東北地震で左パンチを受けた日本、次の右パンチで、借金でまかなってる財政状態がさらに悪化する可能性高し。そうすると、元に戻るだけでも時間がかかるんじゃないでしょうか。でも、今、高校生、大学生だったら、まだ希望あり。今から英語の他に、もう一カ国語を勉強しておくなんてのはどうでしょう。そしていざというとき、国外に出られるという選択肢を可能にしておくっていうのは?

あまり明るい話じゃないので、エンクロージャーで「イージーライダー」の「ボーン・ツー・ビー・フリー」をリンク。タイトルをクリックすると聞けます。ドアズの唄をエンジョイしてください!