2011年5月31日火曜日

ロシアン・リバー沿いのワイナリーへ

サンフランシスコから車で1時間くらい北に行くとサンタ・ローザ(Santa Rosa)っていう町があるんですが、この町の西部から、さらに北方に流れてるロシアン・リバー(Russian River)をはさんで、比較的、新しいワインの産地が広がります。

このあたりはソノマ郡(Sonoma County)でも北西部なので、育ててるブドウの種類が、ソノマやナパとはちょっと違うよう。

最初に訪れたのはデローシュ・ワイナリー(De Roach Winery)。バイオダイバーシティ法を取り入れて、ワインを作ってるようです。いろいろな野菜を育てたり、ヤギやニワトリを飼ってるような話ですが、テイスティング・ルームのそばには、見当たりませんでした。フクロウ用のような手製の巣が、ブドウ畑の真ん中の棒のてっぺんにとりつけられてましたけど。
写真:テイスティング・ルームの外観。

テイスティング・ルームの反対側のピクニック用のテーブルで、お友達が作ってきてくれたポテトサラダとクロワッサンの昼食。写真を撮りたかったんですが、お許しがでませんでした。最初のワイナリーなので、テイスティングなしで、次のワイナリーへ向けて出発。

地図を見ると近場にマーティン・レイ・ワイナリー(Martin Ray Winery)というのがあったんで、立ち寄りました。なんとなく休暇中の小学校のような感じ。で、写真はとらずに、ロシアン・リバー沿いのワイナリーへ行くことにしました。

ポーター・クリーク・ファミリー・ワイナリー(Porter Creek Family Winery)のバラの花の色の美しさ!
ブドウ棚が上り龍(リュウ)ぎみで、趣きあり。下の写真(と上のバラ)は解像度が高いのをアップロードしてあるので、写真をクリックしてみると、若葉の美しさがよくわかります。
ピノ・ノアを味見したんですが、それほど美味しいとは思いませんでした。エステートの方は、悪くありませんでしたが、私はピノ・ノアタイプではないのかも。小さなひなびた風のワイナリーで、アットホーム。

ちょっとしか飲んでないんですが、道が曲がりくねってるので、気をつけながら、次に立ち寄ったのが、トーマス・ジョージ・エステート(Thomas George Estate)。最近オープンしたような雰囲気で、クベ(洞窟)の中での試飲が売り物。車に乗ったり降りたりするのが疲れてきたので、さっと見るだけですませます。
白いバラと紫の花がきれい。テースティング・ルームの手前。

最後に訪れたのが、以前はビールの味付けに使うホップ生産工場だったのを、ワイナリーに変えた、ホップ・キルム・ワイナリー(Hop Kiln Winery)。

アンティークな木製の建物は、カリフォルニア州歴史的建築記念物に指定されてるので、サイクリング用の運動靴をはいたままでは入れません。中に入ると、木製の床や壁や厚い戸や手すりが、年季物特有の、大きくて柔らかくて温かい光りかたをしてます。

建物の前面下部に、下の写真のようなキルムが並んでます。まだホップ工場だったころ、この中にホップを入れて乾燥させてたようです。

オシャレな美しい町、ヘルズバーグ(Healdsburg)で一休みした後、帰路へ。道路が空いてて、一時間ぐらいでサンフランシスコに着きました。

2013年4月5日追記: ロシアンリバー領域にワイナリーが広がってくるようなったのは、地球温暖化の影響もあるようです。ナパの温度が上がり、ナパにあったぶどうの生産に少しづつ影響を及ぼしてる模様。そのため、より適切なブドウ生産値をもとめてロシアンリバー地域に入って来たようです。

2011年5月16日月曜日

清楚で美しいイブニング・プリムローズ

サンフランシスコから約一時間、東北にドライブして、アンティオック・デューンズ・ナショナル・ワイルドライフ・レフュジー(Antioch Dunes National Wildlife Refuge)へ。

目的は、絶滅寸前の正式名、アンティオック・デューンズ・イブニング・プリムローズ(Antioch Dunes Evening Primrose)。初めて見たのですが、ほのかな香りのある、清楚で大きい花。気候にもよるんですが、5月から6月にかけてが盛りだそうです。

一株(二年目)で一平方メートルぐらいは占める、ダイナミックな多年草。花が100以上ついていて、それが海からの風をうけてかわしてなびきます。

楊貴妃を「梨花一枝」の美しさと例えた詩がありましたが、このプリムローズ、「梨花一枝」という句そのものを思い出させます。

花の直径、大きいのだと約9センチで薄い花びら。「イブニング」と花の名前についているように、前は夜に花が咲いて夜行性昆虫が受粉活動をしていたと思われますが、今は花が環境に適用し、昼でも数日咲き続けるのだそうです。咲き始めは真っ白なんですが、受粉すると端からだんだんピンクの色に染まりだし、萎む寸前は、全体がピンク。


最近は、ヨーロッパミツバチの数が減り、その代わりに、黄色い頭をしたクマンバチや土着のハチが花の受粉を引き受けてるんだそうです。

この保護区、毎月第二土曜日に一般に公開されますが、案内人と一緒でないと、中へ入れません。アンティオック・デューンズ・イブニング・プリムローズの他に絶滅の危機に瀕してる蝶と、コントラ・コスタ・ウォール・フラワーを保護。

保護地のすぐ横にはサン・ワキン・リバーが流れてますが、水がきれいになってきて以来、ビーバーやカワウソが住み始めたそうです。

2011年5月2日月曜日

再び、サンフランシスコ・バレエの「リトルマーメイド」

2011年のリトルマーメイドは、だんぜんお薦めです! ヤン・ヤン・タン(Yan Yan Tan)がリトルマーメイド(人魚姫)、ティルト・ヘリメッツ(Tilt Helimets)が王子、パスカル・モレー(Pascal molat)が詩人を演じるという、2010年とまったく同じキャストで初日を迎えました。

去年より、ダンスがキュと絞られてて、見やすくなってるような気がします。またヤン・ヤン・タン、パスカル・モレー、ティルト・ヘリメッツをはじめ、踊ってる人が皆、ストーリーに入って演じてる感じ。踊る方も、見る方も二回目なので、落ち着いてみられる(演じられる)のかも。

一幕目の水中の場面は、紺が基調色。巨大な水族館でゆらゆらと揺れる美しい水中の世界を見てるような感じ。

パスカル・モレーの詩人、特に手の動きがもっとはっきり大きくなってて、ずーっとインパクトが深くなり、彼自身のストーリーを語ります。

ところで詩人は「人魚姫」の作者、アンデルセン自身だそうです。彼には心を寄せる男性がいたのですが、むげ無く拒否され、失意のどん底にいたときに書かれたのが「人魚姫」とのこと。

ヤン・ヤン・タンのマーメイドもとてもよかったです。顔を白く塗ってると、思い切った演技ができるような感じ。喜びの表情が去年に比べると、ずっとよくなってました。
Odette's Odealから。

「波」は男性の役なんですが、その衣装、印象的で、海中のミステリーを深める効果が。プリーツの入ったような、柔らかい布でできた、たっぷりとした袴風ロングドレスというか。すそには北斎が富獄三十六景で描いたような波しぶきが描かれ、ダンサーの動きにつれて揺れます。海中にたつ波しぶきのようにも見え、泡のようにも見え、ミスティリアスな水中の世界の神秘を伝えます。

けっこうたくさん写真がネットに出てるので、最も最近の写真が見られるブログをリンクしておきます。ここのブログで見られのは、去年の写真だと思います。

舞踏会のビデオクリップをリンクしておきます。

去年のリトルマーメイドのブログを読むと、ストーリーがもっとよくわかると思うので、リンクしておきます。

5月3日追記:2011年のリトルマーメイドは、上記のチームと、サラ・バン・パタン(Sara Van Pattan)がマーメイド、ピエール・フランシス・ビラノバ(Pierre-Franqois Vilanoba)が王子、ガルシア・カスティーラ(Garcia Casttila)が海の魔法使いという二つのチームで全公演を踊ります。新聞のレビューは第二のチームの公演についてですが、その写真も出てるので、リンクしておきます。

なお、初日の公演はPBSが録画したので、いずれKQEDで放送すると思います。

5月7日追記: サラ・バン・パタンのマーメイドを見ましたが、ベテランのヤン・ヤン・タンの解釈、表現力にはかないません。サラのは、水際で溺れそうになってるマーメイド。10年のキャリアの違いなんでしょうか。海の魔法使いは、2008年にソロリストに昇格したガレン・スクライバー(Garen Scribner)。キリッとした踊りで、魔法使いとしては若々しすぎる感じですが、動きが印象に残ります。

今年、イザック・ヘルナンデス(Issac Hernandez)という男の子がソロリストに昇格したんですが、この子、手も足もきれいに伸びるし、動きが優雅なところがあって、先が楽しみな一人です。