幸運!
本当はケイト・アルドリッチ(Kate Aldrich)がサンフランシスコ・オペラの「カルメン」をやる予定だったんですが、妊娠で欠場。で、アニタ・ラチベリシビリ(Anita Rachvelishvili)という人が代役、それが、それが、それが、ものすごい幸運なことにダイナマイト!
最初のアリア、ハバネラの出だしの一声で、オペラハウスの観客が、「すごいカルメンを聞けるのでは?!」と直感、場内に、急にピーンとした空気が張りつめます。緊張の静けさで一杯の場内は、喉が乾ききった、巨大な空のコーヒーカップのよう、そこへ赤銅色の妖しくも温かく光る、類いまれな響きと力と深さを持った声が、こんこんと注がれたのです。私の斜め前に座っている女性のあごが、文字通り、驚きで下へガクンと落ちるのが見えました。
Youtubeで見つけたアニタのハバネラをリンクしておきます。どこでいつ上演されたのかわかりません。衣装がとてもドンクサ。サンフランシスコのは、2009年7月の、スカラのアニタの衣装ほどモダンではないけど、最初のリンクのよりかはぜんぜんまし。当時のたばこ工場のもようを、時代により忠実に再現したような衣装やセッティングでした。
この写真は、サンフランシスコのカルメンではなくて、こちらのカルメンからスクリーン・ショットで撮ってきたんですが、アニタのカルメンの雰囲気が似てます。リンクしたハバネラも聞き物。ここでの声が一番、私の聞いたのに近いと思います。
このあとアニタが「セギディーリャ」として知られてる唄を歌うんですが、スカラのをリンクしておきます。
第二幕の酒場のシーンの唄。アニタが踊りながら歌うんですが、頭や手や腰の振り方なんかそっくり。サンフランシスコでも、ホセと舞台で横になって、映画なみの愛情シーン。・カルメンになりきる度胸のある、グルジア出身の現代っ子歌手。
彼女の素晴らしいジプシー・ソング。ベルリン国立オペラ公演。ますます大舞台なれしてきてるのがわかります。
同じくベルリン国立オペラからのカード占いの唄とハバネラ。
アニタの唄を聞くだけで、十分に価値ある舞台。彼女のカルメン、大きくお薦めです。
あとは、ホセの婚約者、ミカエラを演じた、アドラー・フェローのサラ・ガートランドがよかったです。
11月22日:新聞にアニタのカルメンのレビューと写真が出てるので、リンクしておきます。
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