2010年3月28日日曜日

サンフランシスコ・バレエの「リトル・マーメイド」

新聞で大評判の「リトル・マーメイド」を見ました。

王子様の命を助けた人魚が、王子に恋し、自分の声と引き換えに、人間の足を手に入れて、王子のもとへ行くんですが、王子の愛を得る事ができずに、海の泡と消えるという、アンデルセンの「人魚姫」をもとにしたバレエです。


(写真は全部 Michael Macor & from sfgate.com)足を手に入れた人魚姫(Yuan Yuan Tan=ヤン・ヤン・タン)と王子(Tiit Helimets)。背景に王子に思いを寄せる詩人。

アンデルセンの童話に、詩人の、王子に対する密かなラブ・ストーリーを絡ませることによって、哀しくも美しい大人のメルヘンの世界を創るのに成功。2時間、たっぷり、海中と海上の人魚姫の世界で過ごさせてもらったという感じです。

ヘテロセクシャルの王子に、ホモプラトニックに恋する詩人と、人間に恋した人魚という、種類の違いを超えたラブ、この二つの苦しい恋が、絡んだり、離れたりしつつ、美しい音楽と踊り、斬新なデザインの衣装、ライトをうまく使った舞台で描かれます。

詩人の、報われる事のない、失望だけの恋の苦しみは、直接には語られません。しかし、魔法使いに警告されたとおり、歩くたびに痛む、人魚姫の足が、詩人の苦しみを、伝えます。

斬新なコスチューム・デザイン。王子の結婚式に招待された貴族の女性たちのガウン、大胆な柄が気に入りました。


人魚姫のコスチュームもぴったりという感じ。ジャワ島を思い出させるトップに、日本の袴(はかま)からヒントを得たボトム。写真は、水中の人魚姫です。3人の黒子ダンサーが、人魚姫を泳がせます。

水中の住人のコスチュームは、袴。はかまの特徴をうまく使っていてグッド アイデア!

魔法使いのメークは、歌舞伎の土蜘蛛の精の省略形というか。私はちょっと、ほんとうに小さく、しらけましたが、観客には受けたらしく、ヤン・ヤン・タンの次に大きな拍手をもらってました。

今度の日曜のマチネーが、人魚姫の最後のパフォーマンス。お薦めです。

人魚姫の舞台の写真はここへゆくと、あと2枚、見られます

プロモーション用のビデオを見つけたので、リンクしておきます。

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