2012年3月2日金曜日

福島原発事故、内部で何が起こっていたか:米ドキュメンタリー番組

2012年2月28日、PBS 公共テレビ放送で「原子炉メルトダウンの内側で」(Inside Japan's Nuclear Meltdown)というドキュメンタリーがフロントライン(FrontLine)で放送されました。ドキュメンタリーのイントロでは、福島原発事故を、「今世紀最大の原発事故」と位置づけています。

3月11日、福島原発でコントロール業務にあたっていた人たちや、異常事態が生じたあと事故現場内に配置され、作業にあたった人たちや、当時の首相、管さんをインタビューし、事故後の一週間を中心に、現場内部で何が起こっていたのかを、ドキュメンタリーにしたもの。プロデューサー兼ディレクターはダン・エッジ(Dan Edge)という人です。

東電は、当時、事故関係の話を関係者以外にするのを禁じましたが、3月11日大災害から時間を経った今、事故発生時から、原子炉に水を投入してピットを冷却するまで、実際、現場内部で何が起こったのかを話始める人たちが出てきたため、ドキュメント制作が可能になったようです。

東電も管元総理もメルトダウンが起こってるのを1ヶ月くらい否定してましたが、このドキュメンタリーによると、現場のコントロール室で作業をしていたエンジニアは、二日目までには、メルトダウンが起こっているのを、認識していたようです。

放射能を含んだ空気を外に出さなければ、内部爆発がおこるような状態が来たため、管元首相は、最悪の事態を避けるため、東電の要請を受けてベント解放に実行命令をだしました。

管元総理が、ヘリコプターで、福島原発へ向かったニュースがありましたが、このベント解放の命令がいつまでたっても実施されないのに憤慨した管元首相が、東電が何か重大なことを隠してるんではないかと疑い、現地に向かったよう。

現場で管元首相は、電気の無い現状でベントを開けるには、死を覚悟の決死隊が、高放射能環境に行って、手動で開口しなければならないのを知り、決死隊に犠牲者が出る覚悟で、ベント解放を現場で指示。

リアクターに直接、水を注入することになった自衛隊メンバーが現場に入ったとき、リアクターを覆っている外部ビルが爆発倒壊、大きなコンクリートのかけらが車の屋根を直撃、けが人も出たようですが、高防放射の犯される前に脱出。

五日目に、東電側が、放射能が危険レベルを超えたので職員を全員避難させようとしたが、元首相が東電本社を訪問、日本だけの問題ではなくて世界の問題であるとして、現場に残って対応するよう指示。

福島原発事故がかなり危険なレベルに達していたのが、このドキュメンタリーからも、かいま見られます。

アメリカから派遣されたエンジニアは、情報不足に業を煮やし、ドローン(スパイ用超小型飛行機)を飛ばして現場の状況を観察、今から思えば、在日アメリカ人にもっと広範囲にわたる避難命令を出したのは、このデータに基づいてたのが容易に想像されます。

日本でも、上記と同様な内容の事実が発表されるか、されたと思いますが、日本国外での捉え方に興味のあるかたのためにドキュメンタリーをリンクしておきます。なお、これは英語放送であること、またリンクは永久リンクではありません。

私も放送を一回しか聞いていないので(時間のあるときに確認するつもりですが)、内容は、個々の皆さんで確認してくださるよう、おねがいします。

注:3月3日に内容のアップデートをしました。

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