翌朝9時にリッジクレスト(Ridgecrest)のモーテル出発、米海軍の基地沿いのハイウェイ178をさらに東へ。
名前のとおり、水のかわりに、塩の結晶がはってる、巨大な、白いドライ・ソルト・レーク(Dry Salt Lake)が見えてきました。ドライ・レーク「塩」畔の、工場の町、トローナ(Trona)で休憩。何もすることがないので町の歴史館へぷらり、塩からいろいろなミネラルを蒸留抽出するために工場があり、町ができたのを理解。50年代には大繁栄してたようですが、今はその面影を歴史館の古い写真にとどめるだけ。
写真:塩からミネラルを抽出する工場。この会社の現オーナーは、なんと、インドの会社。海を離れて何千里、こんな人里離れた場所にも、時代の波が押し寄せていて、東南アジアの進出があるなんて! 会社側も宣伝する気はないらしく、写真をとってたら、パリッとした制服を着た守衛さんがでてきて、止められました。そのこと自体は驚きませんでしたが、強い日差しでペンキが剥げ落ちた町に、突然、身なりの良い守衛さんの出現はちぐはぐで、意外で、びっくり。
この町を過ぎると、いよいよ「何も無ーい」から、「何もなーい、自然があるか」と、人間の手が入ってほこりっぽくなった自然がのろのろと遠のき、自然のための自然が少しづつ、前に出てきます。
突如出現した急な山を超え、平地を北へ、北へと走ります。
草みたいな、低木が続きます。
植物の種類が少なくなり、間隔も、規則正しいながら、まばらになっていくので、ますます乾燥地帯に入って行くのがわかります。
何もない、広大な場所、こんなとこに舗装道路があるのが不思議な道を、ひたすら、ただ道なみに走ります。何を目標に走ってるかわからなくなるほど走るとやっと道標、デス・バレー国立公園(Death Valley)経由ラスベガスへと伸びるハイウェイ190のT字路にぶつかりました。
デス・バレー国立公園内西端の村、ストーブパイプ・ウェルズ(Stovepipe Wells)についたときは午後、すぐにホテルを予約して、そのまますぐ、デス・バレー探索へ出発。
ファーネス・クリーク(Furnace Creek)へ向かうにつれ高度が低くなり、「海抜マイナス100フィート」の標識をみながら、汗をかきかき、たまにサイクリストにすれちがいながら、何も無い場所を走ります。
ファーネス・クリークは、旅行者用ビジターセンターの他に、食料品店やお土産物屋さん、レストラン、自転車屋さんなんかがある、けっこう、にぎやかな場所。食料品店はストーブパイプにもあります。
最初に訪問した場所はバッドウォーター(Badwater)。ここは海抜マイナス86メートルという、アメリカで一番低い場所。昔は湖だったそうですが水は蒸発、今はちょっと水が残ってるだけ、あとは真っ白な塩原がえんえんと。喉の乾ききった旅人が「水だー!」と喜んで走りより、飲もうとするんですが塩辛くて飲めない、それがバッドウォーターという名前の由来。こんな水にも巻貝類が住んでて、保護されてます。
ナチュラル・ブリッジ(Natural Bridge)。本道から右折して砂利道をごろごろ走ると、ハイキング道入り口の駐車場。車から降りて100メートルぐらい歩くと到着。
アーティスト・パレット(Artist's Pallet)へ行くため、アーティスト・ドライブ(Artist Drive)という一方通行の舗装道路に入ります。上がったり下がったり曲がりくねったり、また岩の様相や地質的特徴、植相にも変化に富む、楽しいドライブ。「絵描きさんのパレット(アーティスト・パレット)」と呼ばれる由縁は、緑や青やピンク色の鉱物が岩石に含まれてるため。そんな鉱物の色が一番美しく映えて見えるのが夕焼け時なので、本を読みながら、気長に待ってる人たちもいましたが、私達はそんな時間はないので、日没30分前の午後5時に出発。
ザブリスキー・ポイント(Zabriskie Point)に着いたときは、日没の直前。スター・ウォーズに出てくる星よりか別世界... 数千万年前に、地下のマグマにオーブン焼きにされた地球のプレートが、波のように押し寄せる圧力に屈して隆起し、アメのように曲がりくねりながらそのまま冷え、シマウマ状の化石的風景になったという感じ。
ストーブパイプ・ウェルズに戻ったときはもう真っ暗。レストランで、肉はまずいが付け合わせのインゲンはおいしかった食事の後、ホテルでバタン、キュー。
4/9/2012追記: 車で行くなら、ホテルはファーネス・クリークより、ストーブパイプの方が安め。古さは同じ。レストランは記念が目的なら食べてもいいけどたいしたことなし。前日までに電話すると、だいたいホテルの部屋は空いてるので、クレジットーカード予約がベスト。食べ物は公園の外のマーケットでバケットとチーズと果物、サラダなんかを買ってて持ってた方が新鮮で美味しいです。
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