日本帰ってきて時差ぼけはもうないんですけど、えらーく忙しくて。
電車の乗車券の買い方から、電化製品広告のマークの意味とか、すべて学習のし直しに時間がかかってるってのもあるんですけど。
もうすぐ終わっちゃうし、リヒテンシュタインに行く機会もないかもと、日本で初めての美術展、「リヒテンシュタイン 華麗なる講釈家の秘宝」というのに行ってきました。
地下鉄「乃木坂」で降りるのも初めてなんですけど、駅から開催場所の国立新美術館の入り口へ直通エレベーターがあるのが、道に迷わないっていう点でグー。でも私は「お上りさん」と自覚していて、駅から目的地まで歩いていって東京の路地を勉強してるところなんで、学習の機会を奪われたって感じも。
国立新美術館:コンクリートの塊の建物がちょっと... まるでロスのゲッティー美術館風(Getty Museum)みたい。高い保険金をかけて借りてきた美術品や館所有の美術品を守るというのが趣旨なのかも(見てもらうというよりも)。内部はというと、ガラス窓壁に沿ってコーヒーが飲めるようにテーブルになってるのはグーだけど、オフィスビルみたい。窓一つ一つの形や色、もっと面白くならなかったんでしょうか。
月曜日なんで誰もいないと思ったら、東京のおばさんてこんなに暇なの!って思うほどけっこうな混み具合。すべての出展品の前に人が5〜6人、多いのは十数人いるっていうのはほとんど経験したことがないんでびっくり。そのわりにはトイレの数が少なすぎまーす!
展覧会はわりとよかったです。出典物が、「17世紀オランダ傑作品展」と作者や絵風が重なるのが多くあって、サンフランシスコへのなつかしさがぐぅーと湧いてきて.... ヤン・ファン・ハイスムとかヨーリス・ファン・ソンとか。「当時は花の品種が少なく切り花は贅沢品、だからそれを絵にして留めたんです」と、説明していたドーセントの声が耳の中によみがえるよう。日本にはボランティアのドーセントのシステムがなくて、かわりに音声ガイド(これはもちろんサンフランシスコにも有り)。借りてみましたが、絵の説明に書いてる以上じゃないので、説明書のちっこい字読みたくない人以外は必要ない感じ。
展覧会:見上げる視線を計算にいれた天井画は最初の見所。四つの芸術を描いてますが、そのうちの一つが「絵」で、お年を召した先生が若くてはつらつとした女性のむきだしの肩に手を触れながら絵の教授をしてるところ。いくら先生だって貴族の娘の体なんかに触れることはできませんから、これは観る人、つまり年老いた貴族のおじさん、つまり絵の注文主のエッチな想像力を刺激して「クックック」と喜ばせるためのカスタマーサービス精神で描いたに違いありません。
キッとこちらを見つめるラファエルの肖像画、クラッシックな背景なんですけど、モダンな感じでよかったです。何の復讐を企ててるのか妖しくも美しい仮面をかぶった2人の女の絵。オランダやフレミッシュの、「どうしてここまで緻密にしかも温かく描けるの」という静物画等々。最後にぐっすりと眠る赤ちゃんの寝顔の絵がありますが、首のまわりで薄くすける絹の襟の端がキラキラと光る一瞬を留めたさまは美しく豊かで、見てる私がゆっくりと睡眠をとったような気になり、絵を見た疲れも消えてしまって、こんな絵の並び順を考えてくれた人に感謝です。
注:リヒテンシュタイン展から。
英語版のリンクは(Click for English)こちら(here)。
ゼんぜん違う英語版リンク(Completely different English site is)はこっち(here)です。
4 件のコメント:
サンフランシスコを引き払って、東京に戻られたのですか?
そうなんですよ。今一生懸命、カリフォルニア運転免許証を日本のに書き換えしてるとこです。
いつまで続くかわかりませんけど英語のブログを初めて見ました。三日坊主じゃないといいんですけど...
英語のサイトのURLは次のとおり。ひまがあったら行ってみてね。
http://www.tumblr.com/dashboard
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