レオシュ・ヤナーチェク(Leos Janacek)の「マクロプロス事件(Makropulos Case)」というのが順等なんでしょうが、カリタ・マッテイラ(karita Mattila)に敬意を表して、上記のタイトルにしました。
ノルウェー人ソプラノのカリタ・マッテイラは、昨今わりと頻繁にサンフランシスコ・オペラに来るんですが、評判負けというのが、私の感想でした。
ところが、今回の「マクロプロス事件(Makropulos Case)」で演じたエミリア・マーティはダイナマイト・パフォーマンスで、今までの印象は帳消し。演技力抜群の、別格オペラ・シンガーへと認識を新たにしました。今回も、一応見ておこう程度で、見たんですが、すでに有名な歌手でも、突然、飛躍して、自分を乗り越えるってこと、あるんですね。それも感動しました。
オペラの筋はというと、世界的なオペラ歌手、エミリアは、実は御年337才。ハプスブルグ家の錬金術士だった父が調合した「不老」の薬を無理矢理飲まされたため、長生きしてるんですが、再び、薬を飲まなければならない時期がやってきました。
薬の処方箋は、昔々(100年前頃)、彼女の生んだ子供を相続人に指定した遺言状と一緒に、タンスの引き出しにしまってあるんですが、そのタンスは、自分の孫にあたるアルバートが相続争いをしている家の中、そして家の現住人は、敵方のプルス男爵。
エミリアはアルバートを助ける気はさらさらないんですが、処方箋を得たいがために、遺言状のありかを教えようと、アルバートとその弁護士に近づきます。そこからこのドラマは始まります。
写真:美しく魅力的なエミリアと、向かって左から、エミリアが自分のおばあさんとは知りようもなく、彼女に恋するアルバートと、やはり彼女に惹かれるプルス男爵。その隣は弁護士のアシスタント、弁護士、プルス男爵の息子の恋人のクリステナ。息子はエミリアに一目惚れ、父親の男爵がエミリアと関係を持つのにショックを受け、自殺してしまいます。
舞台は、白い壁に、黒のペン書きのイメージが基調。エミリアのドレスも白で、全体的にフレッシュな感じで、ファッション誌、ボーグ的な味のある、舞台となりました。
写真:ウィスキーを飲みながら、エミリアは自分の秘密を明かします。
カリタ・マッテイラは、マノン・レスコーのように、すでに設定されてるような役をやるより、自分でもっと創れ、演じられる部分のある役のほうが、彼女の持ってる力が引き出されれ、向いてると思います。
彼女のアクターとしての才能が光り輝いたパフォーマンス、さらにプルス男爵を始め、まわりのパフォーマンスが標準を上回り、またコミカルな部分もたくさんあって、思わず笑ってしまうオペラなので、お薦めです。
写真:弁護士事務所で出会うエミリアと男爵
初日のパフォーマンスのビデオクリップをリンクしておきます。
写真を見たい人は、こちらへどうぞ。
ただし、英語の字幕を読みつけてない人は、見に行く前に、ネットで筋ぐらいは読んでから言ったほうが、楽しめると思います。
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