2012年5月29日火曜日

オレゴン州の洞窟、オレゴン・ケーブス・ナショナル・モニュメントへ その2

書き忘れちゃったんですけど、雪で覆われたマウント・シェスタがハイウェイ5から見えるんですが、形がよいので、ものすごくきれい。マウント・シェスタは、木を切り尽くした山肌が見える夏よりか、雪で隠れてしまうの冬の方がきれい。

ハイウェイ5で、初めて姿を見せたマウント・シェスタの美姿をカメラに納めます。

ハイウェイ5は、マウント・シェスタが見えるあたりから、独特で雄大な景色を見せ始めます。シェスタを通りすぎるとハイウェイは高度が果てしなく下がりつづけ、いつのまにか、まだ春は遠いなだらかな、えんえんと続く牧草地(多分、販売用牧草)に入ります。その規模と荒涼さは異様、芭蕉がこれをみたらどんな俳句を作ったかとか思ってしまいます。ヤレカはそんな放牧地帯に囲まれた陸の島の町。

ヤレカを朝10時頃出発して、オレゴン・ケーブスへ。

ハイウェイ5を離れてハイウェイ199にはいると、すぐに大きな市、グランツパス(Grants Pass)突っ切ります。そこでちょっと買い物したんですが、レシートを見ると消費税がついてなーい。物の値段はカリフォルニアと同じなんですが、消費税がつかない分、つまり8.75%、安くなってます。

ケーブス・ジャンクションから本当の山道、残雪がまだあちこちに残っているオレゴン・ケーブス・ナショナル・モニュメントについたのは午後3時で、3時半の洞窟ツァーに運良く間に合いました。ガイドをつとめる地質学専攻のレインジャーのおじさんを含めて全部で14人が集合。このおじさん、横浜に住んでたことがあって、日本語がわかります。

洞窟の入り口。ツァーは約一時間半で、約全長2キロ。

子供や心臓の悪い人、階段の上り下りに無理のある人、最近ヨーロッパの洞窟へ入った人は入場お断り。ヨーロッパの洞窟に住むこうもりに、鼻のあたまが白くなる病気がはやっていて、それがオレゴンケーブスのこうもりにひろがるのを防ぐため。
天井から下がっているつらら状の鍾乳石。アメリカで販売している、クリスマス用のガラスのつららぐらいの大きさで、10センチくらい。細いです。

レンジャーがツァーに必要な場所だけ、手で電気のスイッチをいれてる模様。洞窟に住んでいるコウモリを保護するためで、もしコウモリがとんできたら、電気を消すという説明が、ツァーの始めにありました。

洞窟内に流れの速い小川が流れてます。

見事なバナナ状鍾乳石。一つの房が一抱えはゆうにある感じ。

まるで暗黒の舞踏会場の大シャンデリアのように天井から、円錐状の壁をつたってつらなるバナナ状鍾乳石。













ちょっと気になったのは洞窟のまわりの森。ナショナル・モニュメントなので保護されてるためか、過去数十年、山火事が起こった事がないようす。木がかなり年老いてるわりに若い木が少なく、枯れ枝が地面に溜まりに溜まった感じ。いったん火災になったらめらめらでしょう。

その晩は、クレッセント・シティに宿泊することにしたので、ハイウェイ199を太平洋側へ向かいました。

2012年5月25日金曜日

KALWがカリフォルニア・ワイン、チャールズ・ショーをラジオで紹介

サンフランシスコ・ベイ・エリアのラジオ局にKALW(91・7FM)という、聴衆の寄付金でまかなっている公共放送があって、私の一番好きな放送局なんですが、先日、カリフォルニアワイン、「チャールズ・ショー(Charles Shaw)」を紹介。わたしもチャールズ・ショーについて前に書いた事あるんですが、ラジオ局の放送内容をちょっと書いておきます。

年間売り上げが550万本から600万本! 発売以来10年間、一本1ドル99セントのこのワイン、「ツー・バックス・チャック(Two-bucks Chuck)」というあだ名で親しまれているんですが、「バック」っていうのは「ドル」のこと。だから2ドルのチャックという愛称。

サンフランシスコの郊外にモデスト(Modesto)という市があるんですが、そのそばのセレス(Ceres)という町に本社があるブロンコ・ワイン・カンパニー(Bronco Wine Co.)が販売元。他に90種のワインのブランドを持ってて、そのほとんどを10ドル以下で販売しているとのこと。

チャールズ・ショーが生まれた理由は、その年、たまたまブドウが大豊作だったため。他のブドウ園のオーナーと相談し、2ドルワインを売ろうというアイデアが生まれたそうな。さらにブロンコの社長のフレッド・フランツィアさん(Fred Franzia)は、「誰もワインに10ドル以上払うべきではなーい!」という強い信念の持ち主。ブロンコは、カリフォルニアのサン・ワキン・バレー(San Joaquin Valley)に4万エイカーのブドウ園をもっていているというのも、フレッドさんの信念を支えている重要な要素です。

でも発売から10年もたっているのに、なぜ今でも1ドル99セントでワインを売っていられるのか?

その理由は三つ。最大の理由はガラス瓶。ブランコはガラス瓶を軽くする事ではパイオニア的存在。通常、一ケースのワインは36ポンドなんですが、ブランコではガラス瓶を軽くして30ポンドに減量。このため、普通、一台のトラックで1200ケースしか輸送できないところを、1440ケースするのに成功。

二つ目は瓶の栓。プラスチックは使いたくないのがフレッドさん。そこでコルクのかすを集めてつくった安い栓でコストを押さえてるそうです。

三つ目は特定の場所でできたブドウを使わず、ブランコのワイン畑でできたぶどうを混ぜて作ってるから。

「でも味は落ちてないよ。もし不味かったら、10年も続けて年間600万本のワインをカリフォルニアで売れるわけがないよ。」

写真はエミリービル(Emeryville)のトレーダーズ・ジョー。

2012年5月14日月曜日

オレゴンの洞窟、オレゴン・ケーブス・ナショナル・モニュメントへ その1

先週、前から行ってみたかったオレゴン・ケーブス・ナショナル・モニュメント(Oregon Caves National Monument)に行ってきました。

途中、ハイウェイ5沿いのヤレカ(Yreka)という、聞いた事も無いところで泊まったんですけど、昔は、マウント・シェスタ(Mt. Shasta)を中心とした林業で激しく栄えていたもよう。

どうしてかというと、まず機関車の駅のあること。シェスタ山がまる裸になるまで木を伐採した後、林業はすたれたんじゃないかと思います。バブルにより、過去数年は観光客を乗せて走っていたようですが、今回の不景気で、残念ながら、運航中止。で、機関車には乗れませんでした。

ヤレカの駅(始発駅)


古い面影の町並み。ある時点で発展が止まり、そのまま今日に至るというわけです。

なかなかの規模と輝きのあったダウンタウン。「夏草や、強者どもが夢の跡」的な町。

今どき、こんなアンティークな中国料理店は、サンフランシスコ・ベイ・エリアでは見るのは不可能。一枚上の写真の真ん中よりちょっと右の、白い建物の隣に赤いのが道路沿いに見えますが、それの正面写真。お客さんは入ってましたが、私達は遠慮。安全な線で、ケンタッキー・フライドチキンにしました。

2012年5月7日月曜日

2012年、サンフランシスコ・バレエの「ドン・キホーテ」

2012年、サンフランシスコ・バレエのプログラム8は、新制作の「ドン・キホーテ」。

マリア・コチェトコワ(Maria Kochetokova)とタラス・ドミトロ(Taras Domitro)がキトリとバジル。

タラス・ドミトロがストリー・バレエで大役を演じるのを初めて見たんですが(「リミニのフランセスカ」を除いて)、さわやかでキリッとした動きは、嬉しい驚き。彼が初めてのジャンプを見せたとき、観客の息を飲む音で場内がざわっとし、コンパスのようにピシッと伸ばした両足を空中で素早く交差させ、空気を大きくカットしたときは、「オォッ...!」。まっすぐですらりとした足なので、舞台に立っただけでも体の線がリンとしてきれい、ジャンプがさわやかに見えます。

3〜4年ぐらい前に入団したんですが、サンフランシスコ・バレエにとって大きな財産。なんか、ちょっとおでこがはげてきたような感じではあるんですけど、まあそれはいいことにします。



マリアの動きもいつもどおりよかったんですが、タラスの高くて、クリスプな45度ジャンプで、その夜の主役を完全に奪われてしまった感じ。

こういうコンビだと、2人で踊るときはもっと素晴らしい踊りを見せると思ったんですけど、初めてのコンビのせいか、マリアとボアダ(Joan Boada)や、マリアとゲナディ(Gennadi Nedvigin)が持ってるような繋がりが見られず、1+1が3になる踊りの弁証法は成立しませんでした。

今のマリアには、キトリの役がピタッとこない感じがあります。

タラス以上に嬉しい驚きは、ジプシーの女を踊ったコートニー・エリザベス(Courtney Elizabeth)。今まで何度がドン・キホーテで、ジプシーの長に振られた女の踊りを見てきましたが、コートニーの踊りが今までで最高、その怒り、苦しみ、悲しみと哀訴をよーく表していました。振付けがさっぱりして、以前よりかよくなった感じがします。

彼女は一年前に、コールドバレエからソロリストに昇格したんですが、以来、着実に上手になってます。これで、将来、プリンシパルに昇格する道が開けたかも。

カーテン・コールで、普通マリアは、送られたブーケから花を一本抜き、パートナーにあげて感謝の気持ちを表すんですが、タラスにはあげませんでした。何か、気に食わなかったのかも。でも、このコンビには、いずれ成功して、素晴らしい踊りを見せて欲しいと思います。

バネッサ・ゾッホリアン(Vanessa Zahorian)とダビード・カラペティヤン(David Karapetyan)のコンビのも見たんですが、マリアとタラスの踊りの質にはかないません。バネッサとダビードは去年、結婚、以来、ダビードから、ちょっと緊張の感じが抜け、動きがキリッとしなくなった感じ。でも、アドリブ的に、いたずらっ子のような表現や、自然な笑い顔を舞台上で見せられるようにはなったんですが...



ここに行くと上のバネッサの写真(ソース)と、評論が見られます。

ダビード、怪我をして、第二幕目からヨアン・ボアダに変わったんですが、ボアダが見られたのでグー。

総じて、今回のドン・キホーテは、全体に、ミスが多かったです。タラスが着地後にクラっとして手をフロアについたり、キトリの友達を演じたドレス・アンドレ(Dores Andre)の落とした扇子が舞台を走ったり、バネッサの最初のジャンプはタイミングを逃して体が空中で開いてしまうような、危ないのがありました。

衣装は、ジプシーの女の衣装は以前よりかさっぱりし、新しい色を使ったメルセデスのはすごーくよくなってました。またドン・キホーテの夢の場面のサファイア色のチュチュが幻想性をまし、以前のよりかだんせんよくなってました。でもエスパーダの衣装が、お菓子のおまけにつくような、黄色と黒の漫画的雰囲気でがっかり。スター性がなくなってしまったんです。

タラスのジャンプが見られるビデオをリンクしておきます。3分20秒目ごろに見られます。今の彼は、もっと高く、速くジャンプができると思います。5分30秒から、彼のPDが見られます。これはタラスがまだキューバにいたときのビデオ。

ここをクリックするとHuff Post に載ったバネッサとボアダの写真が見られます。