一番印象に残ったのはサラマンダー(イモリ)の動き。黒白の縦縞模様のボディスーツで覆われた全身で、首を伸ばしたりかしげたり、フロアの起伏を上がったり下がったりする動きの一つ一つはインパクトありでした。頭髪を含めて顔の作りは不気味なんですけど、サラマンダーの持つパワーと、知的な用心深さ(実際にはイモリってインテリジェンスはあまり感じさせない生物ですけど。失礼、いもりさん)を感じさせる動きでした。そのため、顔が不気味という印象が薄れ、むしろ内に隠れてる知的さの証のように見えてきます。
第二幕でインドネシア楽器の「ガムラン」もしくはガムラン風の音が演奏に加わり、西洋楽器だけの音とは異なった世界、熱帯森林の奥深くに静かにしっかと存在する世界、その由緒正しさと美しさと落ち着きとを感じさせる響きでした。熱帯のジャングルに咲く、肉厚な花弁を持った香り高い花を連想させます。また、さくら姫の踊りのなかにバリ舞踏の動きが入るのがとてもよかったです。なんか心を落ち着かせる動きです。
同じく第二幕だったと思いますが、高齢王様の動きがなんとなく認知症っぽくて、こういうテーマをダンスに取り入れるのって大胆だけども現実的だし、面白いと思いました。別の日に見た友人は「リア王」がイメージの出所じゃないかと言ってました。
確かにこの「パゴダの王子(Prince of Pagoda)」というバレエ、さまざまな音楽や古典を思い起こさせる場面の連続です。例えばさまざまな国から来た王様達がさくら様に求愛する場面は「眠りの森の美女」の王子達の求愛の場面、またサラマンダーがさくら姫を伴って火の国、水の国を通過しながら試練を受けるところはまるで「魔笛」、立ち回り場面はシェークスピアの「ロメオとジュリエット」を思い起こさせます。という意味ではあまりにもいろいろな山場が短い間隔で詰まりすぎてて、慌ただしい感じがしました。もっとすっきりさせた方が踊りを引き立てると思うんですけど。振付けや舞台の作り方を変えるとぐーんと良くなるのかもしれません。舞台上部の大きな花はとくになくてもいい感じ、舞台のふちを額縁風に飾るトゲは意味がわからず、ちょっと目障りでした。
小野綾子さんのさくら姫はストーリーを語れたと思うし、湯川麻美子さんの目力は劇的でよかったです。
2014年6月6日金曜日
少子化と年金?、少子化とロボットじゃないの?
日本の少子化問題が、将来の年金額との関係で論じられてるのを聞いて奇妙感を感じました。2014年の年金生活者は月給の56パーセントを保証されてるが、今より出生率が下がった最悪の場合、2050年高齢者の年金は月給の34パーセントしか保証されないとのこと。でも少子化問題をこういう切り口で論じる奇妙感がふっきれず、「この切り口、どうして?」という疑問に。
でも、これは政府のディスクレイマー(免責事項)的意味もあると考えれば、なんとなく納得がいく。「政府は、2014年度出生可能世代に、あなたがたが子供を生まないと、その世代が高齢者になったときに年金が先細りすることを数字をもって公表し、警告したはず。あなた達にも責任はあるよ。」
少子化問題をいろいろな角度から切って分析するのは賛成ですが、いまだに余り論じられてないのはロボットの工場生産への導入との関係。
アップル社が「人件費の高くなった中国での生産を止めて、アメリカへ戻す」と発表したのは2012年頃。当時まだアメリカにいた私は、このニュースで「仕事が増える!」とアメリカ中が湧いたのをよく覚えてます。
確かに生産工場は南部のテキサス州かなんかに建設されたんですが、実際に生産が始まると、広い工場で働いてるのはロボットだけ。そのロボットを運転・管理するために工場のとなりのオフィスで働いてる人間はたったの四人。ロボットは休憩も休暇もいらないし、24時間ぶっ続けで働けるので、この人数は多分一シフトの人数だと考えると、「4人X3」で12人。警備員なんかを含めると20余人あたり! 地域住民に就業機会はほとんどなかったのです。
オックスフォード大学のロボット・リサーチ・グループに所属するマイケル・オズボーン博士(Michael Osborn, Robotic Research Group)によると、20年後のアメリカでは、現在の全仕事のうち47パーセントはロボットによるオートメ化が進むとの事、この数字は博士の母国でもあるオーストラリアでも同様だそうです。
だとすると、日本でだって、同じ割合でロボット化・ソフトウェア化されると考えても的外れではありません。現在、日本の就業者数、つまり総仕事数は6400万。このうち47パーセントがロボット化すると、2034年の総仕事数は3400万になります。このような観点から少子化を考えると、少子化現象はこのような仕事数の減少を先取りしていることになり、傾向としては理にかなってる事になります。
ではどんな仕事がロボット化もしくはソフトウェア化されにくいか? これを考えるのか重要。
私が思うに、いわゆる女の仕事とされてきた低賃金労働の保母さんや幼稚園の先生、看護師さん、ヘアスタイリスト等は生き残るでしょう。
お医者さんや弁護士業は、けっこうな部分がコンピュータ化されると思います。他には何かな?
でも、これは政府のディスクレイマー(免責事項)的意味もあると考えれば、なんとなく納得がいく。「政府は、2014年度出生可能世代に、あなたがたが子供を生まないと、その世代が高齢者になったときに年金が先細りすることを数字をもって公表し、警告したはず。あなた達にも責任はあるよ。」
少子化問題をいろいろな角度から切って分析するのは賛成ですが、いまだに余り論じられてないのはロボットの工場生産への導入との関係。
アップル社が「人件費の高くなった中国での生産を止めて、アメリカへ戻す」と発表したのは2012年頃。当時まだアメリカにいた私は、このニュースで「仕事が増える!」とアメリカ中が湧いたのをよく覚えてます。
確かに生産工場は南部のテキサス州かなんかに建設されたんですが、実際に生産が始まると、広い工場で働いてるのはロボットだけ。そのロボットを運転・管理するために工場のとなりのオフィスで働いてる人間はたったの四人。ロボットは休憩も休暇もいらないし、24時間ぶっ続けで働けるので、この人数は多分一シフトの人数だと考えると、「4人X3」で12人。警備員なんかを含めると20余人あたり! 地域住民に就業機会はほとんどなかったのです。
オックスフォード大学のロボット・リサーチ・グループに所属するマイケル・オズボーン博士(Michael Osborn, Robotic Research Group)によると、20年後のアメリカでは、現在の全仕事のうち47パーセントはロボットによるオートメ化が進むとの事、この数字は博士の母国でもあるオーストラリアでも同様だそうです。
だとすると、日本でだって、同じ割合でロボット化・ソフトウェア化されると考えても的外れではありません。現在、日本の就業者数、つまり総仕事数は6400万。このうち47パーセントがロボット化すると、2034年の総仕事数は3400万になります。このような観点から少子化を考えると、少子化現象はこのような仕事数の減少を先取りしていることになり、傾向としては理にかなってる事になります。
ではどんな仕事がロボット化もしくはソフトウェア化されにくいか? これを考えるのか重要。
私が思うに、いわゆる女の仕事とされてきた低賃金労働の保母さんや幼稚園の先生、看護師さん、ヘアスタイリスト等は生き残るでしょう。
お医者さんや弁護士業は、けっこうな部分がコンピュータ化されると思います。他には何かな?
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