2014年5月8日木曜日

最新の5分間ビデオ、「チェルノブイリの動物」

ニューヨーク・タイムズ紙が5月5日付けで「チェルノブイリの動物」という記事を発表。

チェルノブイリのアップデートにちょうどいいので、その記事と、記事中にある5分間ビデオをここにリンクしておきます

記事のリンクはこちら

サウスカロライナ大学のティモシー・ムーソーさん(Timothy Mousseau)は1999年から継続的にチェルノブイリを訪問、鳥類や昆虫、こうもりなどの観察を行ってきたそうです。当時はこのような事故はもう二度とおこらないと思い、個人的に観察していたそうですが、福島の原発事故以来、福島地域も観察対象に加えて公的な研究に変更

チェルノブイリ原発事故で人間が出て行ったあと、まるで「現代のエデンの園」のように自然界が復帰したと言う人がいるけれども、ムーソーさんによると、決してそうではないそうです。鳥類や昆虫、こうもりなどの観察をすると、チェルノブイリで「ホット地域」と呼ばれている高放射能地域では、動物種数は半減、考えられていたより自然の復帰は遅いとのこと。また鳥などでは外観から観察出来る腫瘍とかクチバシの変形などの異常発生率が、放射能汚染地域外と比べて、高い頻度で観察されるそうです。

またホット地域にいるある種の鳥は「自然淘汰」で放射能に対する適応を高めているのが観察されてますが、面白い事に、同種の鳥で放射能汚染の低い地域にいる場合は適応できず、DNAの異常が起こっているようなふしがあるそうです。

ビデオ中にも小さい赤い昆虫がでてますが、ホット地域に近づけば近づくほど、以前とは異なったパターンの羽柄が高い頻度で観察されるそうです。(下の写真)



また木の年輪を観察すると、1986年の原発事故以来、はっきりとした変化が見られるものがあるとのこと。下の写真では、1986年を境に(濃い茶の線がひいてあるところ)、年輪の色が異なるのがわかります。



去年、福島を訪問したとき、ムーソさんは蜘蛛の巣のパターンが少しおかしいのに気づき、以来、チェルノブイリでも、できるだけたくさんの種類の蜘蛛の巣の写真を撮り、研究室の学生に分析させているそうです。

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