スピルバークの映画、「シンドラーズ・リスト(Schindler's List)」がアカデミー賞をとったのは今から17年前のことですが、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)の5階で、それ関連の面白いビデオ作品を展示して(見せて)ます。
写真右はじの黒く写ってる場所がこのビデオを見せる部屋。
「シンドラーズ・リスト」をクラクワ(Krakow)で撮影するとき、町の人が大量にエキストラとして雇われたんですが、クラクワは、アウシュビッツと同様、実際にユダヤ人収容所と死体焼却処理場のあったところ。映画のエキストラをした体験が、その後、彼らにどんな影響を及ぼしたかを追求したのが、このビデオ・ドキュ。
エキストラの中には、実際にクラクワの収容所に収容された経験のある人たちもいて、エキストラとしての2度目の収容所「経験」をビデオで述べてる人もいました。初めて「収容所体験」をして、「(映画で使ってるリストが)実際のリストのコピーなのがわかったとき、急に恐ろしくなった」と述べてる人もいます。
雇われたエキストラは、長い列に並んだ末、「ユダヤ人」を演じるのか、「ドイツ人」を演じるのかに振り分けられるんですが、このあわただしい「振り分け」場面、ドキュメントに引用されてる映画中の、ナチスがガス室に送るか、強制労働として生かすかの振り分け場面に重なり、ちょっと凄い感じ。
「『見かけ』で、ユダヤ人か、ドイツ人かに振り分けられたと思います。係の人が座ってるデスクの前で、2〜3分もかかりませんでした。」
「(肌の)色で決められたんだと思います。」
「ユダヤ人のように見えるのかも。自分ではわからないけど。」
「どちらかというと、ドイツ人をやりたかった。」
今時は、こんなインセンシティブなエキストラの扱い方はしないと思います。でも逆に、今だったらわざとやるかも。場面にふさわしい心理的効果を得るために。
映画がアカデミー賞をとったため、その後、町を訪れる人が増え、町の人たちもよく知らない質問をする(「ユダヤ人収容所跡はどこ?等)ので、その人たちを案内する観光ビジネスができたそうです。
展示作品の一つ。光を浴びてきれい。
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