カリフォルニアワインの産地、ナパとソノマは、サンフランシスコから車で約1時間半くらい。手頃に近場なので、何かというとドライブしちゃうんですが...
2000年あたりから、ぶどう畑の、ちょっと不安を感じるくらい、著しい拡大が目につくようになりました。長い間、放牧用だった、眠気をさそうような丘が、うねりながら延々と続くぶどう棚に変わっていたり、雑草ががつがつ生えていた空き地に、突然、ぶどうの苗木が整然と植わってたり... 今、振り返ると、これが「バブル」の「印」だったんですね。
ハイテクバブルに始まり、次の住宅バブルを追っかけるように、ワイン畑バブルが進行したわけです(ナパ、ソノマだけにとどまらず、世界的な傾向のよう)。
で、現状はどうかというと、10ドル以上のワインの購入が激減、プラス全体の消費量の下降。カリフォルニア州の失業率が12パーセント(公式発表の最新値。真の失業率はもっと高いと言われてます)では、当然と言えば当然。
追い打ちをかけるように、新しいぶどう畑から、ぞくぞくとワイン用ぶどうが市場へ...
ワイナリーとしては、せっかく時間をかけて作り上げた有名ブランドを値下げ販売するわけにはいきません。ぶどうが緑のうちに間引きする量をふやしたりはしてると思いますが、市場に出さなければ、経費こそかかれ、収入にはなりません...
そこでワイナリーは、新たなワイナリー名とブランド名で、余分のワインを、安値で流通させるという防衛策に出たようです。
私が思うに、この防衛策、今年は特に顕著。ホリデーシーズン以前から、見た事も聞いた事もない、新ブランドの10ドル以下ワインが、お店のワイン棚の目につくところにバン、バン、バーンと並んでいます。バブル崩壊前だったら、10数ドルから25ドルくらいで売られていたワインが、名前を変えて登場というわけでしょう。消費者の立場から言えば、ラッキーな事です。
今シーズン、私は、見た事も、聞いた事もない、ワインを積極的に試してます。アメリカに住んでいる方には、お薦めのワインの楽しみ方だと思います。
先日、久しぶりに、チャールズ・ショーのシラーズ(2007年産)を試したんですが、かなり美味しいので、びっくり。
チャールズ・ショーのオーナーは、ロバート・マンダビ等の、有名ワイナリーを押さえて、2007年にトップ賞をとったシャルドネでさえ、1ドル99セントで販売し通しました。
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