2008年9月7日日曜日
ワインでしめくくりたい、アンジェラ ゲオルギューのリサイタル
ワインがないので、ビールを飲んでるが、アンジェラ ゲオルギュー (Angela Gheorghiu) を聞いたあとは、冷えたワインで、しめくくりたかった...
バークレーのゼラバックホールでのリサイタルから戻ってきたところ。今夜はサンフランシスコにしては湿度が高めで、蒸し暑い...
最初の曲は、「ラ・ロンディーナ」で、主役のマグダが最初に歌うアリア。去年、このアリアの最初の一声で、彼女は、サンフランシスコのオペラファン(下の写真 www.angelagheorghiu.com)を魅了、私も彼女に征服されてしまった一人です。
声量もすごいけど、そのコントロールもすごい。息をそっと吹くように始まった歌声が、あれよあれよという間にしだいに大きくなり、いつのまにか、オペラハウスの巨大なドーム(空間)を満杯にしてしまったのです。
葡萄がスローモーション風に発酵して、樽の栓をふっとばし、部屋中を香りで満たしてしまうという感じ。私は、その晩、完全に酔っぱらいました。
そういうわけで、彼女の今回のリサイタルを心待ちにしていたのです。
ロンディーナの後は、プッチーニの「ある晴れた日に」とバルディの曲を前半に歌った。ガラス玉(まさかダイヤじゃないでしょう)が数珠つなぎになった、左右、二本づつのストラップが途中で絡まり、バストの割れ目を隠すような隠さないような。短めのボディスから、たっぷりの薄めの真っ白なドレスが、ふわり、ふわりと広がる。こんなデザインだと、以外と胸がめだたないので、「純白無垢」っぽいイメージ。
休憩後は、トップの写真(www.angelagheorghiu.com)とちょっと似ているが、袖つきの真っ黒なタイトなドレスで、小曲を2つ。このあたりから、リラックスしてきて、彼女のパーソナリティがでてきた。これがリサイタルの面白いところでしょう。
3度目に舞台に出てきたとき、観客の「一部」から、「ああっ(Gasp)」というどよめきが起こった。彼女が、真っ赤なドレスで出てきたのだ。3回も着替えをするなんて予想外でした。
このギャスプが気に入ったのか、すっかりリラックスして、踊りながら歌ったり、観客がルーマニア語で(多分)リクエストしたりで、アンコールには「ゴンドラの歌」を含めて3曲も歌った。彼女は赤い色がよく似合うんですね。
ファッション雑誌、ボーグも、彼女をモデルにした特集を組んだ事があるアンジェラ ゲオルギューは、プロとして、今が油ののり時と言えるのではないでしょうか。
私の前に坐っていた年寄り夫婦は、いい度胸。でっかいカメラで公演中、こそこそと撮影してたので、youtubeに行けば、既にビデオクリップがアップロードされてるかも。
このサイトへ行くと、彼女の写真(Gallery)やサウンドクリップが聞けます。
ところで、「ラ・ロンディーナ」はフランス語で「つばめ」。平塚雷鳥が年下の恋人のことを「若いつばめ」と呼んだことから有名になった表現ですけど、多分、ロンディーナの話から生まれたのだと思います。
追記(2012年9月)サンフランシスコ・オペラで上演したアンジェラ・ゲオルギュの「ツバメ(ラ・ロンディーナ)」がyoutubeにアップロードされてるので、リンクしておきます。
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