2008年6月15日日曜日
サンフランシスコ オペラ: ラインの黄金
ワーグナーのラインの黄金を見てきました。
河の妖精が守っている金から、禁欲を神かけて誓った人が指輪を作ると、世界を制覇できるという秘密を聞いた男、アルベリッチが、その金を盗んで指輪を作るというのが第一場の話。
主人公のボタン(上の写真右、左が妻)が、妻の妹のフリーアを代償として、巨人兄弟に大きなお城を建てさせるのだが、完成した暁に、約束を実行するのが嫌になる。すると巨人兄弟は、その指輪を代償として支払うなら、フリーアを自由にしてやると約束するのが第二場。
ボタンと、その手下で賢いレゴ(上の写真右側)が、アルベリッチ(左側)をまんまと騙して、指輪を手にする。怒ったアルベリッチが、「指輪が手元に戻るまで、指輪を見た人は羨望で狂い、持ち主は死ぬ」という呪いを指輪にかける。ボタンが巨人兄弟に代償として指輪を渡したとたん、指輪をめぐって兄弟喧嘩がおこり、兄が殺される。呪いが即座に成就したのを見たボタンは恐ろしくなるとともに、指輪を手放した幸運を喜びながら一族を連れて、そそくさと新居のお城に平和を求めて向かうのが、最後の場面。
レゴを演じたステファン・マーギタと、フリーアを演じたタマラ・ワピンスキー、また巨人を演じたバスのアンドレア・シルベストレリが、声量が大きくて、光ってました。
オペラとしては複雑で意味深な話なので、2時間があっと言う間にすぎてしまいます。
床下からの照明と、スリットの入った鉄製床材をうまく使った舞台装置がモダン、主人公が、ハリウッドで神様のようにあがめられてる映画監督という現代風のオペラの設定も、面白かったです。
でもオペラで、出演者全員が力を出し切って歌い抜くというのは以外にまれ。例えば、今回はアルベリッチの声が、オーケストラにかき消されて、聞こえなくなってしまう場面があり、悲しかったです。また一部ではマイクロフォンを使ってました。私の体験では、こんなこと、初めて。
サンフランシスコのオペラハウスは、ニューヨークのメトロポリタンより奥行きが深いので、かなりの声量のある歌手でないと、劇場一杯に声が響きません。そのため、サンフランシスコを避けるオペラ歌手さえいるのです。今回は河の妖精を演じた3人が、声量を調節できるほど成熟してないのか、もともと声量がないのか、あまりよく聞こえませんでした。こういうのが一番がっかりします。
オペラはその時の運です。
サンフランシスコで人気者、ドナルド・ラニクル指揮のオーケストラはよかったです。
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