2013年4月17日水曜日

お上りさん、ちょっと勉強: 日本島国鎖国論と「BS」

ちょっと前、「現代日本鎖国論」をちょろっと述べたんですけど、先日、「BS歴史館」っていう番組見てたら、「鎖国」って概念が初めて出てきたのは、ロシアが攻めて来た1806年の「露寇事件」だったそうです。ペリー来日より50年くらい前の事。

日本人が初めて軍艦を見、攻撃を受け、幕府は初めて日本を脅かす「外国」という脅威に目覚め、「鎖国」という言葉を使いだしたそうです。なるほど。「他者」の存在が、「国」としての「日本」を初めて幕府に意識させ、今まで行ってきた「藩」向け国内策に国外策も含ませて「鎖国」と呼ぶようになったようです。

って事は、「国」という意識のもとに「鎖国」を行ったのは260年中、最後の50年だけ。それ以前は、日本人は「国」なんて意識のない人々の集まりだったわけですから「現代日本鎖国論」っていうより、「日本島国鎖国論」のほうがぴったりだなって思いました。

荒海に囲まれてるっていう立地条件のおかげで、江戸末期まで他国から侵略を受けにくく、そのお陰で他者としての他国を意識せずにすみましたが、今はアジアや中東やアフリカ等の経済的発展により、視野に入ってくる「他国」の数が望まなくとも増加。そういうのを意識的に無視する「鎖国的チョイス」を個人レベルでも国レベルでもできるのが現代。というわけで「日本島国鎖国論」のほうがいいと思います。ぴたっとした言葉が出ないと、考えが前に進まないので悪しからず。

ところで「BS歴史館」の「BS」ですが、これ英語で「ブルシット(bull shit)」という、アメリカ俗語のイディオムの略語。

使い方: 誰かの演説を聞いて「What a bull shit!」と言うとすると、「なんてめちゃくちゃなこと言うんだ!」という意味。誰かに何か気に食わない事を言われて「What a bull shit!」と切り返し、その場をすたすたと去るなんてこともあります。「ブルシット」とはっきり言う人もいるし、こんな下品な言葉を口にするのもいやだとか、場所柄避けたい場合(例えば教会の中とか、結婚式のパーティ等)、「What a BS!(ファッタ ビーエス)!」となります。もっと短くなると、ただ「ビーエス!」。下品な言葉なので、よーく知らない場では使わない方がいいです。

最初は「BS」と聞くたびに可笑しくて笑ってましたが、今は「チャンネル名をつける前に調べなかったのかな」なんて思ってます。

サンフランシスコの街路樹としてよくつかわれる木、「ボトルブラッシュ」。ビン洗い用のたわしの「ボトルブラッシュ」によく似てるのでそう呼ばれてます。よく目にするのは花が赤いですが、ゴールデンゲートパーク内の植物園にはピンクのがあります。

2013年4月8日月曜日

「TPP」って何?って思う人と、ネットの自由を守りたい人、これ大事です

日本で話題になってるTPP(トランズパシフィック・パートナーシップ)について、よく知らなかったんですけど、日本でも結構反対があるので、気になってました。日本の生産ベースを守るのも大事だけど、海外諸国とも関係を作ってかないと日本は孤立、多文化時代について行けずに鎖国状態に拍車がかかるんじゃないかと思ってたんです。生産ベース守りながらアジアや中東にも開いて行くってこと、できると思うんですけど。

そしたら偶然、時々見てるサイトでTPPについてやってたので、参考としてリンクしておきます。リアルニュース・ネットワーク(Real News Network)っていう、どちらかというと進歩派系サイト。私もまだよく聞いてないので、今からちょっと聞くんですけど。

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会話がちょっと速いので聞きにくいかも。でも字幕付きなんでがんばってください。後向きの人がリアルニュースネットワークのホストのポール・ジェイ(Paul Jay)

ポールがゲストのマーガレット・フラワー(Margaret Flower)とケビン・ジーズ(Kevin Zeese)を紹介したあと、ケビンがTPPのイントロとして、「過去3年間、16回のネゴ会議があったんですが、内容を秘密にしてるのでどんな風に話しが進行してるのかわかりません。ただ600企業の代表が、オバマ主催の会議に参加してるのはわかってます」というのを聞いて、やっと、「ややっ、あれか!」って思い当たりました。

ネットの自由を大事だと思ってる皆さん、TPPにどこまでインターネット規制が盛り込まれるかどうか、成り行きに注意する必要あり!(5月3日追記:日本ではこのことについての言及ゼロですが、ことによると、今までの交渉のうちで外された可能性もあり)

インターネットでの情報の共有と、携帯さえあれば誰でも参加できるネット型デモクラシーに手を焼いているアメリカが(例えばオキュパイ・ウォールストリート=ネットを使った自然発生的集団の意思表示)、企業の協力を得て、ネットに規制を設けようするのが目的の一つである国際会議があるのは、アメリカで聞いてました(私は去年10月末に帰国)。でもそれがTPPのことだったのは、今の今まで知りませんでした。もち、私はインタネット・フリーダムを熱烈に守る側。英語圏インターネットでの情報アクセスは日本よりか、かなり厖大で、I love it! ツィッター万歳!(最近使ってないけど)

ポールはTPPを「国の権利を縮小し、企業の権利を増大」と特徴づけてます。例えば、リーマンショックの大原因証を作ったウォール街会社の賭け、しかし自分たちは一銭も出さずに、損失は米国民の税金でまかない、史上最高のボーナスで祝う、さらに利益をケイマン・アイランド等のオフショアに送って税務署から隠す、等、今までアメリカで国内で進めてきた企業の権利増大化、これをグローバル化するの反対。

この番組の中で日本の事を述べてる所がちょっこっとあり。そこで表明されてる認識が正しいかどうかはわかりませんが、米市民がそんなことを聞いてるってことを伝えるためです。

ポール:(TPPが中国を村八分するなか)ボクが歓迎するのは日本の態度です。日本にとっては、韓国と中国とネゴができる関係、そのトライアングルのほうが、TPPよりもっと大事なこと」と表明したことです。(裏の声:こんなこと日本側は本当に言ったの?)

製薬会社が薬のパテントを20年間に延長して、安価なジェネリック医薬品がこれ以上、世界に広がるのを阻止しようとしてるというディスカッションで:

ポール:それで困るのは(インドなどの)貧しい国だけではありません。世界保険協会(WHA)によると、世界で三番目に優れた健康保険制度を持ってる豊かな日本でも、もし製薬会社が(特許期間を20年に延長し)そこで得られた時間を使って薬の末梢的改造を続け、特許が決して切れないようにするのを許してしまうと、薬の値段があがり、健康保険制度全体のコストがあがってしまう。日本のお医者さん達は、今の健康保険制度の崩壊を心配してます。(患者一人一人異なった医療保険をもってるアメリカのように)患者さんにまず、あなたの保険は何って聞くのから始めなければならなくなるのも嫌ってます。が、一番は薬の値段の上昇が(国際的に)保険制度を圧迫する事です。

グローバル化の悪い面はアメリカにいたとき感じてました。社会全体の利益を無視して、いわゆる、株主の利益を第一として追求するやりかた、利益は私物化、損害は社会化して「金融金持ちと、貧乏な労働者」という格差を拡大、国内のこんなしょっぱい関係を国境を飛び越して、「リッチな先進国と、貧しい後進国」を構造化して作り上げるのを、過去10数年間以上、見てきたからです。残念ながらこれが今までの米国的グローバル化。(もっとも歴史を振り返ると、その前にあこぎなやり方で利益を追求したのはヨーロッパですけどね。)

福島原発事故で目をさまされた私(たち)、利益をがむしゃらに追い続けるだけの経済発展は見直すべき。少子化だって問題になってるけど、狭い所に多すぎる人口が減るのを「普通」化として歓迎するという選択もあります。神田川の桜を、舗道と川の小さなスペースからでなくて、もっと広々としたスペースからゆっくり楽しんでみたいと、感じ方を変えてみるのも悪くないです。また日本は年齢差別が横行してますが、アメリカのよいとこは、年齢差別は随分前に憲法で禁止にしたこと。今はすっかり定着して、私個人の経験では、アメリカで仕事を探すときに年齢が問題になった事は一度もないし、第一、年齢なんて聞かれません。

ところで、番組の最初のほうの、マルチナショナル企業が、自国、他国にかかわらず、国家を訴えてでも自己の計画利益を確保しようとする方向に動いてる傾向は、聞く価値あり。どの程度正確な情報かはわかりませんが、真実をついてます。中国が伸してきてアメリカの影響力が相対的に縮小するなか、「TOO BIG TO FAIL、大きすぎてつぶせない」アメリカのマルチナショナル大企業=アメリカの利益を守るために、オバマのお墨付きで、ネゴされてる可能性あります。時間があれば要約をつけますけど、それはいつになるやら。

2013年4月16日 追記: 道路上ではデモっていうのがありますが、ネット上で新しい抗議意志表示が自然発生的に起こってます。例えば...

イギリスでは根強いサッチャー強硬路線反対派が今でも健在で、マーガレット・サーッチャーさんが亡くなったあと、「オズの魔法使い」の歌,「鐘をならせ、悪い魔女が死んだ!(Ding Dong! The Witch is Dead!」)の人気が急上昇、iTuneで一位、BBCのトップ5に入ったそうです。この記事では「オンライン・リベンジ」と言ってます。こういう自然発生的大衆行動がさる権力筋には気に食わないんだと思いますが、一票の力しかない庶民にとって、ネット上で意志表示できるコミュニケーション力はテクノロジーが可能にした素晴らしい力、守るに値します。