2011年10月27日木曜日

テレビ番組、「チェルノブイリの被爆狼」

先週、KQED(公共放送)の「自然」という番組で、「チェルノブイリの被爆狼(「Radioactive Wolf」が原題)」という50分ものを放送。

1986年の4月26日のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故で、広島の原爆の約400倍もの放射能が放出されました。その後、発電所のまわりの約2,850平方キロメートルにわたる地域が、人間が住むには不適切と判断され、住民40万人が他の地域へ移民、「無人地帯」として今日に至っています。
ベルロースとウクライナにまたがっている閉鎖地域 (番組からのスナップ)

ひとたび人間が去ると、もともと森と湿地で覆われていたチェルノブイリの自然が、予想以上の早さで戻ってきて、今はムースやビーバー、さらに絶滅危惧種の動物が住み着き始めました。

特に狼は、天敵の人間に射殺される事がなくなったため、被爆しているとはいえ、数的には回復し、現在、約120匹が、無人地帯に住んでいると推定されてます。この狼”口”密度は、狼の通常の生息地と同じ密度だそうです。
被爆狼に麻酔をかけて調査。狼の毛を吸って内部被爆を起こすのを防ぐためマスクを着用。

でもチェルノブイリの自然は、放射能で汚染された自然。そんな環境で、目に見えない危険に、生き物がどのように反応し、存続するのか、また、被爆がどのような影響を与えるかを調べるため、食物チェーンのトップである狼やハヤブサのようすなど、今までの研究の成果をまとめたのが、この番組。
狼が食べたムースの骨。骨から通常の50倍の放射能が。

人のいなくなったアパートに巣をはるハヤブサ。ハヤブサも食料チェーンのトップなので、放射能がどのように影響するかの調査の対象になっている。

福島原発事故では、2011年10月25日付けのサイエンティフィック・アメリカン誌(Scientific American)で、チェルノブイリを上回る、大量の放射能が放出されたという、最も新しい結果が報告されてます。

人間がいなくなったために復帰したチェルノブイリの被爆自然、これはいずれ福島も起こることだと思います。そういう意味で、興味深い事実なので、何かの参考になると思い、この番組をリンクしておきます。番組は英語、ある程度、時間が経つと、リンクは消滅すると思います。

時間があったら、さわりの部分を日本語に訳しておきますが、がんばってトライしてください。

2013年3月17日注: 日本でアメリカのPBSの番組がウェブで見られないようになってるせいか、それとも期限が切れたのかわかりませんが、ハイバーテキストが番組にリンクされてないのがわかりました。しかたないので、番組紹介の方にリンクしておきました。アメリカ内の人にはちゃんと番組にリンクされてるのかもしれません。

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